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自己免疫性肝炎は保険加入が難しい?自己免疫性肝炎も入れる生命保険と公的保障
『自己免疫性肝炎が入れる保険はある?』
原因のはっきりしているウイルス性肝炎などと違い、誰もがなり得る病気です。
今回は自己免疫性肝炎だと保険加入しにくい理由や、自己免疫性肝炎でも加入しやすい生命保険の種類、自己免疫性肝炎が利用できる公的保障について解説します。
生命保険への加入を検討している自己免疫性肝炎の方やそのご家族は必見です。
この記事の監修者
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有岡 直希
ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、Webマーケターを経て外資系生命保険会社に転職。 個人対象のライフプラン・コンサルティングに携わり、顧客のニーズと社会保障制度を加味した論理的な提案に定評あり。 各生命保険商品を徹底的に分析し、価値ある保険商品の選別と保険の効果を高める活用法を提案します。- <保有資格>
- AFP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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この記事の目次
自己免疫性肝炎だと保険に加入しにくい?
自己免疫性肝炎は『AIH(Autoimmune hepatitis)』とも呼ばれ、慢性経過し肝細胞が徐々に障害される中年以降の女性に多い病気です。
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自己免疫性肝炎の罹患者は健康な人に比べて
- 持病の悪化
- 合併症の併発リスクが高い
などの理由から保険加入を断られやすいです。
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健康リスクが高いと断られるのはなぜ?
生命保険は加入者が保険料を出し合い相互に保障し合う制度。
なので、はじめから健康状態が芳しくない人や危険度の高い職業に従事している人と、それ以外の人たちの公平性を保つため、契約に様々な条件を設け、加入したい人には告知義務を課しています。
契約にあたって契約者または被保険者は、過去の傷病歴(傷病名・治療期間等)、現在の健康状態、職業などについて、告知書や生命保険会社の指定した医師の質問に、事実をありのまま告げる義務(告知義務)があります。
引用:告知義務
▼告知義務違反があったらどうなる?
告知義務は主に健康状態・傷病歴・職業などに発生。
・事実と異なる告知をする
契約・特約が解除され保険金や給付金が受け取れなくなります。
また、保険契約の担当者が告知について以下のような指示をする例もあります。
・特定の告知をするよう指示した
しかし、指示に従って告知を控えたりすると加入自体はできても真実が発覚した際に告知義務違反として契約解除される可能性も。
告知内容について、もし担当者から指示があっても『事実を告げない』『虚偽の申告をする』ような形では契約しないようにしましょう。
他にも告知をする時に気を付けたい事項がいくつかあります。
傷病歴により契約時に特別な条件が付きそうな心配がある人は健康状態・過去の傷病歴に関する告知が不要な生命保険や、傷病歴があっても契約しやすい生命保険を選ぶのがおすすめです。
※特定部位不担保とは…
例えば…
3年前に胃かいようで入院したが、現在は完治しているという人に対して、特約は付けられるが、「胃」の病気で入院した場合は、入院給付金や手術給付金を契約時から一定期間内は支払わないというように、身体の一部分(部位)を特約の対象から外す(不担保にする)方法です。
引用:生命保険に関するQ&A
また、生命保険会社指定の嘱託医以外にした告知は義務を果たせていません。
つまり、営業職員や保険代理店の担当者、生命保険面接士などに健康状態や傷病歴を告知していても告知義務とは無関係となります。ご注意ください。
断る理由は健康リスク以外もあり得る
自己免疫性肝炎であっても加入できる保険商品はありますが、それ以外の条件を満たしていなければ自己免疫性肝炎であったかに関係なく加入を断られるでしょう。
自己免疫性肝炎に罹患したのをきっかけに保険加入を検討したなら、加入を断る理由はさまざまであると念頭に置きつつ、一度申し込んでみるのも良いでしょう。
自己免疫性肝炎の疑いがある状態も告知は必要
受診した結果、自己免疫性肝炎の疑いありと診断されたなら、保険加入時の事前告知で必ず伝えておきましょう。
もし告知せず隠して加入したのが発覚すると、違反とみなされ契約を解除される恐れも。
保険加入を検討中なら告知義務は果たせるよう、健康状態を把握しておきましょう。
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自己免疫性肝炎でも入りやすい生命保険
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自己免疫性肝炎でも入りやすい保険としては
- 引受基準緩和型の生命保険
- 無告知型の生命保険
引受基準緩和型の生命保険
過去3~5年以内に病歴がある人は通常の保険への加入が難しいです。
引受基準緩和型医療保険なら直近の病歴や入院歴があっても加入しやすいでしょう。
「限定告知型保険」「引受基準緩和型保険」「選択緩和型保険」などと呼ばれており、従来の告知・診査を必要とする医療保険に契約できなかった人も、所定の告知項目に該当しなければ一般的に契約できる医療保険です。
引用:健康状態に不安がある人でも、契約できる医療保険とは?
引受基準緩和型医療保険では下記のような項目に告知義務が課せられています。
健康状態に関する告知項目の例
・過去2年以内に入院・手術をした
・過去5年以内にがんで入院・手術をした
・今後3カ月以内に入院・手術の予定がある
・現時点でがん・肝硬変と医師に診断または疑いがあると指摘されている
・現在までに公的介護保険の要介護認定を受けた など。
引用:健康状態に不安がある人でも、契約できる医療保険とは?
病歴により保険加入が難しい人でも加入しやすい引受基準緩和型医療保険ですが、通常の医療保険と比べると保険料が割高になりがち。
引受基準緩和型医療保険への加入を検討している人は、まず通常の医療保険に加入できるのか確認してから申し込みましょう。
引受緩和型の保険では告知の際に以下のような質問例があります。
・直近3ヵ月以内に医師から入院・手術・検査を勧められたか?
・過去2年以内に入院や手術をしたか?
・過去にがんや上皮内新生物の診断歴があるか?
このように引受緩和型保険では限定的な診断歴や入院・通院の状況に関して上記のような『はいorいいえ』で答えられる質問をされるようです。
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ランキングは各保険商品の優劣や推奨を示すものではなく、特定期間の申込件数、資料請求件数、及びアクセス数に基づいて作成したものです。
無告知型の生命保険
通常、生命保険を契約する際には、健康状態などに関する告知または医師による診査が必要ですが、この保険では告知や医師による診査は必要ありません。
引用:告知や医師の診査なしで契約できる生命保険とは?
『無選択型』とも呼ばれており、『終身保険』や『個人年金保険』で扱われている形態です。
一般的な保険商品と比べて以下のような違いがあります。
◆無選択型終身保険
契約後2年間など一定期間内に病気により死亡した場合は、死亡保険金ではなく既に払い込んだ保険料相当額が受け取れます。
引用:無選択型保険の特徴
災害死亡だと契約当初から死亡保険金が受け取れるようです。
・死亡保険金
受取額が少額の契約が一般的。
・契約可能年齢
生命保険会社によって異なるが、比較的高い年齢からが多い。
・保険料の払込期間
一生涯に渡って払い込む形式が一般的。
・保険料
診査・告知が必須の保険よりも割高。
また、無告知型・無選択型の保険には医療関係の特約を付加できません。
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保険料の支払い条件も厳しく、
- 加入から一定期間は保険金が支払われない
- 払い込んだ保険料分しか返ってこない
ランキングは各保険商品の優劣や推奨を示すものではなく、特定期間の申込件数、資料請求件数、及びアクセス数に基づいて作成したものです。
女性に多い疾病をカバーした引受緩和型・無選択型の保険もある
自己免疫性肝炎は中年以降の女性がかかりやすい疾病なので、女性の疾病に特化した引受緩和型・無選択型の生命保険・医療保険でカバーしやすいです。
難病指定を受けている疾病でもあるため取り扱う生命保険会社も多く、そのような保険に絞って探した方が自分のニーズに合った商品を見つけやすいでしょう。
ご検討の際は参考にしてみてください。
自己免疫性肝炎が利用できる公的保障
難病医療費助成制度
本制度は、国が指定した難病と診断された方で、それぞれの病気の重症度分類に照らして病状の程度が一定以上の方が受けられます。指定難病に対する医療等に係る費用について、医療保険等適用後の自己負担分を助成する制度です。
引用:難病医療費助成制度
▼難病医療費助成制度の対象
原則として「指定難病」と診断され、「重症度分類等」に照らして病状の程度が一定程度以上の方が対象です。
確立された対象疾病の診断基準とそれぞれの疾病に応じた重症度分類等が、それぞれの疾病ごとに設定されています。
▼医療費助成制度の自己負担上限額
(1)各指定医療機関では、受診のつど自己負担上限月額の範囲内で医療費の2割(又は1割)を徴収します。
(2)患者は、指定医療機関を受診のつど、徴収額を管理票に記入してもらいます。
(3)自己負担累積額が自己負担上限月額に達した場合は、その時の指定医療機関が確認し、その月に負担上限月額を超える費用徴収は行われません。
引用:自己負担上限額管理票による自己負担額の管理
▼医療費助成制度の申請と交付の流れ
- 申請に必要な書類を揃え都道府県・指定都市に申請
受付窓口は都道府県・指定都市により異なります。お住いの都道府県・指定都市の窓口にお問い合わせください。 - 都道府県・指定都市による審査
都道府県・指定都市は『①病状の程度が認定基準に該当するとき』または『②認定基準に該当しないが高額な医療の継続が必要な人(軽症高額該当:申請月以前の12か月以内に、その治療に要した医療費総額が33,330円を超える月が3回以上ある)と認めるとき』に支給認定を行います。 - 都道府県・指定都市による医療受給者証の交付
①に該当する時は申請から医療受給者証が交付まで約3か月程度かかります。その間に指定医療機関においてかかった医療費は払戻し請求が可能です。
②に該当する時は審査の結果、不認定となるケースがあります。その場合は、都道府県・指定都市から不認定通知が送付されるようです。
また医療費助成の開始時期も『①病状の程度が認定基準に該当するとき』または『②認定基準に該当しないが高額な医療の継続が必要な人(軽症高額該当:申請月以前の12か月以内に、その治療に要した医療費総額が33,330円を超える月が3回以上ある)と認めるとき』では差があるようです。
①に該当するなら、
病状の程度が重症度分類に該当する方の医療費助成は、申請日から遡り「重症度分類を満たしていることを診断した日」から開始されます。ただし、遡りの期間は原則として申請日から1か月です。診断日から1か月以内に申請を行わなかったことについて、やむを得ない理由があるときは最長3か月まで延長されます。
②に該当するなら、
軽症高額該当者の医療費助成は、申請日から遡り「軽症高額の基準を満たした日の翌日」から開始されます。ただし、遡りの期間は原則として申請日から1か月です。「軽症高額の基準を満たした日の翌日」から1か月以内に申請を行わなかったことについて、やむを得ない理由があるときは最長3か月まで延長されます。
引用:医療費助成の開始時期
支給認定に必要な書類は以下の通りです。
障害年金
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障害年金には
- 障害基礎年金
- 障害厚生年金
- 障害手当金
どの障害年金も給付要件があるため、自己免疫性肝炎の診断が下りていても障害等級表に該当しなければ受給できません。
初診日(障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)のある病気やけがで、法令により定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態にあるとき支給される年金です。
▼障害基礎年金の受給要件
以下の要件を全て満たしているときに、障害基礎年金が支給されます。
- 障害の原因となった病気やけがの初診日が次のいずれかの間にあること。
・国民年金加入期間
・20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間- 障害の状態が、障害認定日(障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日)に、障害等級表に定める1級または2級に該当していること。
- 初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
また、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。引用:障害基礎年金の受給要件
▼障害基礎年金の支給額
(令和5年4月から)
1級 | |
67歳以下の方 (昭和31年4月2日以後生まれ) |
993,750円 + 子の加算額※ |
---|---|
68歳以上の方 (昭和31年4月1日以前生まれ) |
990,750円 + 子の加算額※ |
2級 | |
67歳以下の方 (昭和31年4月2日以後生まれ) |
795,000円 + 子の加算額※ |
68歳以上の方 (昭和31年4月1日以前生まれ) |
792,600円 + 子の加算額※ |
子の加算額 | |
2人まで | 1人につき228,700円 |
3人目以降 | 1人につき76,200円 |
引用:障害基礎年金の年金額
子の加算額はその方に生計を維持されている子がいるときに加算されます。
なお、子とは18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子です。
厚生年金に加入している人が初診日のある病気やけがで、法令により定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態にあるときに支給される年金です。
▼障害厚生年金の受給要件
以下の要件を全て満たしているときに、障害厚生年金が支給されます。
- 厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やけがの初診日があること。
- 障害の状態が、障害認定日に、障害等級表に定める1級から3級のいずれかに該当していること。ただし、障害認定日に障害の状態が軽くても、その後重くなったときは、障害厚生年金を受け取ることができる場合があります。
- 初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。引用:障害厚生年金の受給要件
障害厚生年金の支給額や請求方法、より詳しい受給該当の状態に関しましては日本年金機構の公式サイトをご覧ください。
自己免疫性肝炎でも保険加入できる!持病の告知はしっかり行おう!
今回は自己免疫性肝炎が生命保険に入りにくい理由や、自己免疫性肝炎でも加入しやすい生命保険・自己免疫性肝炎が頼れる公的保障について解説しました。
自己免疫性肝炎は健康状態について他の加入者と公平に保ちにくいため通常の生命保険には加入しにくい現状があります。
-
しかし
- 引受基準緩和型の生命保険
- 無告知型の生命保険
難病指定を受けている疾病なので『難病医療費助成制度』はほとんどの場合適用されるでしょう。
ただ、『障害年金』は疾病の種類以外にも要件があるため適用されないケースも。
できれば生命保険で備えつつ公的保障を活用できる方が安心なので、保険加入でお悩みの方はファイナンシャルプランナーへの相談も検討してみてはいかがでしょうか。