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民間の医療保険はいらない?必要ないと言われる理由と加入がおすすめの人とは
「民間の医療保険はいらない?」
「民間の保険に入る必要がある人は?」
公的医療保険制度が充実した日本では『民間の保険はいらない』との声も少なくありませんが、条件によっては民間の医療保険に加入した方がリスクを最小限にできます。
今回は、民間の医療保険がいらないと言われる理由、民間の医療保険が必要な人はどんな人なのかを詳しく解説していきます。

この記事の目次
民間の医療保険がいらないと言われる理由

日本では、様々な理由から「民間の医療保険はいらない」との声も多いですが、その大きな要因を見ていきましょう。
① 公的医療保険制度で医療費負担が少ない
日本では国民皆保険制度により、誰もが安心して医療を受けられる制度を実現してきました。
国民皆保険制度とは…
①国民全員を公的医療保険で保障
②医療機関を自由に選べる
③安い医療費で高度な医療
④社会保険方式を基本としつつ、皆保険を維持するため公費を投入
などの特徴がある制度。
引用:国民皆保険制度の意義
日本国民は『国民皆保険制度』により、全国どこの病院でも保険制度を利用して質の高い医療を少額負担で受けられます。
日本では健康保険や国民健康保険などの公的医療保険への加入が義務づけられているため、ケガや病気で病院を受診した際の医療費負担が一部のみとなる仕組みです。
公的医療保険制度の負担額は年齢や所得によって決められており、職業や勤務先によっても加入する公的医療保険が変わります。
| 年齢 | 一般・ 低所得者 |
現役なみ 所得者 |
|---|---|---|
| 75歳~ | 1割負担 | 3割負担 |
| 70歳~ | 2割負担 | |
| 7歳~69歳 | 3割負担 | |
| ~6歳 | 2割負担 | |
| 名称 | 加入対象者 |
|---|---|
| 健康保険 | 会社員 |
| 共済組合 | 公務員・教職員 |
| 船員保険 | 船員 |
| 国民健康保険 | 企業に属していない人 (自営業・農業従事者・無職の人など) |
公的医療保険により医療費の負担がかなり軽減されているため、日本では民間の保険への加入がいらないと感じる人は多いようです。
② 高額療養費制度で医療費負担が軽減される
高額療養費制度とは
同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度。引用/全国健康保険協会/協会けんぽ/高額療養費
手術などで医療費が高額になった場合の自己負担額は個人の収入により決まり、所得が多いほど高額療養費の自己負担額が高くなる仕組みとなります。
たとえば…
・Aさん 年齢:69歳以下 年収1,160万円以上
・Bさん 年齢:69歳以下 年収約370~770万円
両者の医療費が100万円かかった場合の自己負担額は以下の通りです。
| 支払い 項目 |
Aさんの明細 | Bさんの明細 |
|---|---|---|
| 医療機関窓口での支払金額 (自己負担額) |
1,000,000円 × 0.3 =300,000円 (3割負担) |
1,000,000円 × 0.3 =300,000円 (3割負担) |
| 自己負担限度額 | 252,600円 + (医療費:1,000,000円 – 842,000円) ×1% =254,180円 |
80,100円 + (医療費:1,000,000円 – 267,000円) ×1% =87,430円 |
| 高額療養費で払い戻される金額 | 自己負担額300,000円 – 上限額254,180円 =45,820円 |
自己負担額300,000円 – 上限額87,430円 =212,570円 |
医療機関の窓口では3割負担分の30万円を支払いますが、自己負担限度額を差し引いた金額が高額療養費制度によって払い戻されます。
また、69歳以下の方の上限額の所得区分は以下の通りです。
| 所得区分 | ひと月の上限額 (世帯ごと) |
|---|---|
| 年収:約1,160万円~ 健保:標報83万円以上 国保:旧ただし書き所得901万円超 |
252,600円 + (医療費-842,000) ×1% |
| 年収:約770~約1,160万円 健保:標報53万~79万円 国保:旧ただし書き所得600万~901万円 |
167,400円 + (医療費-558,000) ×1% |
| 年収:約370~約770万円 健保:標報28万~50万円 国保:旧ただし書き所得210万~600万円 |
80,100円 + (医療費-267,000) ×1% |
| ~年収:約370万円 健保:標報26万円以下 国保:旧ただし書き所得210万円以下 |
57,600円 |
| 住民税非課税者 | 35,400円 |
さらに、高額療養費制度は事前に『所得区分』の認定証を発行してもらえば窓口で支払う費用を高額療養費制度適用後の金額にできます。
③ 民間の医療保険は条件により給付されない
民間の医療保険は、ケガや病気をしても「契約時に定めた支払い条件と合致」しなければ給付金が支払われない仕組みです。
連続した入院に対して30日間の支払い限度が定められた医療保険を契約している場合、31日目以降の入院に関しては給付金が支払われません。
また、退院してから一定期間内に再入院すると『連続した入院』とカウントされてしまい、給付金の対象外になるケースも。
民間の医療保険に加入しても特定の条件付きでしか給付金を受け取れないため、いらないと感じる人も多いようです。
条件によって保険の金額も違うし……でも万が一に備えて必要なのかな?
年齢や職業によって健康リスクも変わるので、自分に必要かどうか迷う場合は一度保険のプロに相談してみるのがおすすめです!

民間の医療保険が必要になる理由

公的医療保険でカバーできない範囲がある
公的医療保険制度は、原則として『ケガや病気で病院を受診した際の医療費を補填する』制度です。
そのため、保険適用外となる診察・検査・投薬などは全額が自己負担となってしまいます。
● 先進医療
● レーシックなどの視力矯正手術
● インプラントなど審美性の高い歯科治療
● 検診・人間ドック
● 子宮がん検診
● 医療脱毛
● 美容医療
● 差額ベッド代
● 入院時の食事代 など
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」/2022(令和4年度)の調査結果では、1日当たりの入院による自己負担費用の平均は20,700円でした。
入院・手術などが必要になると、公的医療保険で医療費の負担を軽減できたとしても多くの費用が発生するため、万一に備えられる民間の医療保険が存在します。
民間の医療保険では、入院1日からでも入院一時金が受け取れるケースも多く、突発的な入院が発生しても自己負担額を軽減できるでしょう。
収入の減少に備えられる
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」/2022(令和4年度)によると入院などによる収入の減少額は平均30.2万円との結果が出ており、入院期間が長期にわたるとその分収入が減ってしまいます。
会社勤めで健康保険に加入している場合は『傷病手当』が受け取れますが、給付金は給料の3分の2程度の額になるうえ支給期間は最長でも1年半までです。
また、国民健康保険の加入者はケガや病気で働けない期間が長引くと、貯蓄で入院費を賄うしかありません。
突然の入院や手術で働けなくなった場合でも、民間の医療保険に加入していれば収入の減少をカバーできるでしょう。
③公的医療保険制度が変わっても備えておける
現在の公的医療保険制度では、国の財政状況や少子高齢化による現役世代の減少に左右され現状のまま続いていくのは厳しいとの見方もあります。
将来的に公的医療保険制度が変更になったり、医療費の自己負担額が増加する可能性もゼロではありません。
公的医療保険制度のみに頼らないためには、早い段階から民間の医療保険への加入も検討しておく必要があります。
民間の医療保険が必要なのはどんな人?

① 貯蓄額が少ない
貯蓄額が少ない場合、突発的なケガや病気で収入が下がってしまうと、日常生活に支障をきたす可能性が高くなります。
医療費が高額になった場合は高額療養制度で自己負担額を抑えられますが、支出が貯蓄額を上回ってしまう危険性は十分にあるでしょう。
民間の医療保険は月々の保険料が数千円から加入できる商品も多いため、万一の備えとして加入を検討しておくのはおすすめです。
② 小さな子供がいる
子どもの教育費用は、約800万円~2,000万円と言われています。※
| 学年 | 国公立の金額 | 私立の金額 |
|---|---|---|
| 幼稚園 | 165,126円 | 308,909円 |
| 小学校 | 352,566円 | 1,666,949円 |
| 中学校 | 538,799円 | 1,436,353円 |
| 高等学校 | 512,971円 | 1,054,444円 |
| 大学 | 2,442,200円 | 4,079,015円 |
| 養育費総額 | 8,208,284円 | 22,479,827円 |
万一、ケガや病気で働けなくなってしまった場合に、経済的な理由から子どもに満足のいく教育環境を提供できなくなる可能性が考えられるでしょう。
一時的な入院などでも医療費の負担は家計に大きな影響を与えてしまう可能性があるので、家族や子どもがお金で困らないための備えとして民間の医療保険への加入はおすすめです。
参照元一覧
※平成十六年文部科学省令第十六号/国立大学等の授業料その他の費用に関する省令
※文部科学省/私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
③ 自営業やフリーランスで働いている
自営業やフリーランスで働いている人が加入する国民健康保険は、会社勤めの人が加入している健康保険よりも保障が手薄となっているのが実状です。
| 業態 | 自営業・ フリーランス |
会社員 |
|---|---|---|
| 保険の 種類 |
国民健康保険 | 健康保険 |
| 保障内容 | 65歳以降の 老齢基礎年金や 障害基礎年金が 少額 |
65歳以降の 老齢厚生年金や 障害厚生年金を 通常支給 |
| 傷病 手当金 |
✕ | 〇 |
| 出産 手当金 |
✕ | 〇 |
ケガや病気で働けなくなった場合、それまでの貯蓄で生活費を賄う必要があります。
また、女性の場合は出産時に帝王切開や異常分娩などになると医療費の自己負担額が高額になりやすいリスクも。
自営業やフリーランスの人は公的医療保険でカバーできる部分が少ないため、民間の医療保険へ加入している方が万一の備えができるため安心と言えます。
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民間の医療保険の必要性が低い人の特徴

十分に貯蓄がある人
十分な貯蓄がある場合、万一のケガや病気で働けなくなってもすぐに日常生活に困窮する心配はありません。
子どもの進学や今後の生活に影響しないレベルの貯蓄があれば、民間の医療保険の必要性が低いと言えるでしょう。
ただし、貯蓄が十分にあっても「先進医療が受けられるように」「貯蓄とは別に備えを準備しておきたい」などの理由がある場合は、民間の医療保険へ加入しておくと安心です。
勤め先の福利厚生が充実している
公務員で福利厚生や公務員限定の団体保険などが充実している人は、入院や手術で一定期間働けなくなった場合でも生活費には困りにくいでしょう。
共済組合に加入している場合は、家族(被扶養者)がケガや病気で病院にかかった際の医療費の一部を負担してくれるなど、サポートも充実しています。
ただし、ケガや病気の内容によっては十分な保障が受けられないケースもあるため、勤務先の保障とは別で不安要素のある部分については民間の医療保険への加入も検討してみましょう。
民間の医療保険がいらないとは言い切れない!ニーズに合わせて備えよう

民間の医療保険は、公的医療保険制度で医療費負担が軽減されているなどの理由から「いらない」と感じる人は多いです。
しかし、『貯蓄が少ない』『子どもの将来の学費が不安』『自営業やフリーランス』の場合は、ケガや病気で働けなくなると生活に困窮してしまう可能性があります。
民間の医療保険が必要かどうかは、家族構成や年齢、勤め先によっても変わるため、今ある保障を踏まえた上で万一の際に必要な保障が受けられる医療保険への加入は検討しておきましょう。

この記事の監修者
-
延田 圭司ファイナンシャルプランナー
2011年より保険業界にて、個人・法人向けの保険営業に従事。生命保険・損害保険など幅広い保険商材を扱い、2023年・2024年にはMDRT基準に該当。保険募集の現場で培った知識と経験をもとに、保険選びやお金に関する情報を分かりやすくお届けします。- <保有資格>
- 2級フィナンシャル・プランニング技能士、損害保険プランナー、MDRT会員(2023年・2024年)
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