- 生命保険
所得補償保険と就業不能保険の違いとは?それぞれの特徴や違いを徹底解説
所得補償保険と就業不能保険の違いは?
何を基準に比較すれば良いの?
就業不能リスクに備えて保険への加入を検討していても、所得補償保険と就業不能保険の違いがわからず悩んでいる人は少なくありません。
本記事では、所得補償保険と就業不能保険の違いや就業不能時に利用できる公的保障を解説。
この記事の監修者
-
有岡 直希
ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、Webマーケターを経て外資系生命保険会社に転職。 個人対象のライフプラン・コンサルティングに携わり、顧客のニーズと社会保障制度を加味した論理的な提案に定評あり。 各生命保険商品を徹底的に分析し、価値ある保険商品の選別と保険の効果を高める活用法を提案します。- <保有資格>
- AFP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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所得補償保険とは?
所得補償保険は生命保険ではなく損害保険で、ケガや病気で入院(自宅療養)して働けなくなった期間の収入の減少を補償する保険です。
一般的に保険期間は1年~5年と短く、保険を継続するには更新しなければなりません。
公的保障では賄えない収入減をカバーするので、設定できる保険金額は契約前12ヵ月の所得の50%~70%を上限とする商品が多いです。
ただし、精神疾患や妊娠・出産、自然災害などによるケガは補償適用外になるので、所得補償保険に加入するなら保障内容をしっかり確認してから申し込みましょう。
死亡リスク | 就業不能 リスク |
入通院 リスク |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
病気 | ケガ | 短期補償 | 長期補償 | 病気 | ケガ | |||
病気 | ケガ | 病気 | ケガ | |||||
所得 補償 保険 |
– | △ | ○ | ○ | – | – | – | – |
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就業不能保険とは?
就業不能保険は、病気やケガで長期就業不能状態になった人が、一時金や年金など契約時に決めた形で給付金を受け取れる保険です。
保険期間は所得補償保険よりも長い商品が多く、60歳・70歳までなどの「年齢」や、10年・20年といった「年数」で決めます。
就業不能保険は働いている人を対象にしているので、加入可能年齢(20歳代~60歳代まで)が設けられているのが一般的。
加入目的は就業不能保険も所得補償保険と基本的に同じなので、自分が受けられる公的保障を理解した上で必要保険金額を決めましょう。
死亡リスク | 就業不能 リスク |
入通院 リスク |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
病気 | ケガ | 短期補償 | 長期補償 | 病気 | ケガ | |||
病気 | ケガ | 病気 | ケガ | |||||
就業 不能 保険 |
– | – | △ | △ | ○ | ○ | – | – |
ランキングは各保険商品の優劣や推奨を示すものではなく、特定期間の申込件数、資料請求件数、及びアクセス数に基づいて作成したものです。
所得補償保険と就業不能保険の違い
「所得補償保険」と「就業不能保険」はどちらも就業不能リスクに備える保険ですが、それぞれ補償(保障)内容が異なります。
ここでは、それぞれの保険の特徴や違いを比較していきましょう。
所得補償保険 | 就業不能保険 | |
---|---|---|
取り扱う 保険会社 |
損害保険会社 | 生命保険会社 |
保険の目的 | 病気やケガで働けなくなった期間の収入減少を補う | |
保険金の 受取条件 |
病気・ケガ | 病気・ケガ・精神疾患 |
保険期間 | 1~5年間 | 50~70歳前後のうち 5年刻みで満期を選ぶ |
保険金額の 設定方法 |
契約前の12ヶ月における 所得の50~70% |
契約前の年収に応じた 上限額を設けたうえで 10~50万円のうち5万円単位 |
保険金の 受取期間 |
商品によって異なる | |
加入後の 保険料 |
年齢により異なる | 変わらない |
課税 | なし | |
免責期間 | 7日間など短期的 | 60日・180日など長期 |
おすすめ の人 |
決まっている金額を 安定して受け取りたい人 |
収入減少分だけを 補えれば良い人 |
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就業不能時に利用できる公的保障
仕事を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降休んだ日に対して支給。
休んだ期間について事業主から傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けると傷病手当金は支給されません。
傷病手当金が支給される期間は、令和4年1月1日より支給を開始した日から通算して1年6ヵ月に変更されています。
支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3)
原則として、業種の規模の如何を問わず全てに適用され、 労働者であればアルバイトやパートタイマー等の雇用形態は関係ありません。
給付基礎日額は労災保険法第8条の3等の規定に基づき、毎月勤労統計の平均給与額の変動等に応じて毎年自動的に変更されています。
引用:厚生労働省/労災補償
精神保健福祉法第5条に規定する統合失調症などの精神疾患を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する者
精神疾患で通院による精神医療が欠かせない人の、通院のための医療費の自己負担を軽減する制度もあります。
自立支援医療費を受給するための手続きは、お住まいの市町村の担当窓口で申請しましょう。
引用:厚生労働省/自立支援医療
何らかの精神障害(てんかん、発達障害などを含みます)により、長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある方が対象です。
統合失調症 うつ病/躁うつなどの気分障害
てんかん 薬物依存症 高次脳機能障害
発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)
その他の精神疾患(ストレス関連障害等)
ただし、知的障害があり上記の精神障害がない方は療育手帳制度があるため、手帳の対象とはなりません。
※手帳を受けるにはその精神障害による初診日から6か月以上の経過が必須
引用:厚生労働省/障害者手帳
障害年金は2種類あり、国民年金に加入している人は「障害基礎年金」、厚生年金に加入している人は「障害厚生年金」を請求できます。
障害基礎年金を受給するには、初診日の前日において次のいずれかの要件を満たしておかなければなりません。
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
※20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある人は納付要件なし
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所得補償保険と就業不能保険:まとめ
所得補償保険と就業不能保険は保障期間や免責期間などの違いが多数あります。
所得補償保険 | 就業不能保険 | |
---|---|---|
取り扱う 保険会社 |
損害保険会社 | 生命保険会社 |
保険の目的 | 病気やケガで働けなくなった期間の収入減少を補う | |
保険金の 受取条件 |
病気・ケガ | 病気・ケガ・精神疾患 |
保険期間 | 1~5年間 | 50~70歳前後のうち 5年刻みで満期を選ぶ |
保険金額の 設定方法 |
契約前の12ヶ月における 所得の50~70% |
契約前の年収に応じた 上限額を設けたうえで 10~50万円のうち5万円単位 |
保険金の 受取期間 |
商品によって異なる | 加入期間中ずっと |
加入後の 保険料 |
年齢により異なる | 変わらない |
課税 | なし | |
免責期間 | 7日間など短期的 | 60日・180日など長期 |
おすすめ の人 |
決まっている金額を 安定して受け取りたい人 |
収入減少分だけを 補えれば良い人 |
それぞれメリットやデメリットがあるので、自分の求める保障や家計の状況を鑑みながら比較して自分に最適な保険を選びましょう。
どちらを選ぶべきか判断できない人は、一度保険のプロに相談するのがおすすめです。