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変額保険と外貨建て保険の違いとは?資産運用できる保険の向き不向きを解説
変額保険と外貨建て保険の違いとは?
資産運用ができる保険はあるの?
本記事では、変額保険と外貨建て保険の違いや特徴と自分に合う保険の選び方を解説します。
この記事の監修者
-
有岡 直希
ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、Webマーケターを経て外資系生命保険会社に転職。 個人対象のライフプラン・コンサルティングに携わり、顧客のニーズと社会保障制度を加味した論理的な提案に定評あり。 各生命保険商品を徹底的に分析し、価値ある保険商品の選別と保険の効果を高める活用法を提案します。- <保有資格>
- AFP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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保険でも資産運用できる?
資産運用と聞くと投資信託やNISA・FXなどを思い浮かべる人も多いですが、種類によっては保険でも資産運用が可能です。
資産運用ができる保険には、株式や債券・投資信託などで運用する「変額保険」と、外貨で運用する「外貨建て保険」が該当します。
投資に関する知識や資金が不足している人は、元本が保証されない投資よりもリスクが少ない保険での資産運用を検討してみましょう。
老後のゆとりある日常生活費
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、経済的にゆとりのある老後生活を送るために必要な費用は下記のとおりです。
夫婦2人分の 標準的な 支給額 |
ゆとりある 老後生活費 |
不足分 | |
---|---|---|---|
国民年金 | 約13.3万円 /月 |
約37.9万円 /月 |
約–24.6万円 /月 |
厚生年金 老齢基礎年金含む |
約22.4万円 /月 |
約37.9万円 /月 |
約–15.5万円 /月 |
昨今では「老後2000万円問題」が話題となり、老後のための資金形成として投資や資産運用を始める人が増えています。
退職給付額(退職金)も減少傾向で、超高齢社会への突入や少子化の影響で年金給付の増加も期待しにくいです。
老後にゆとりのある生活をしたいと思っている人は、若いうちから資産形成を開始する必要があるといえるでしょう。
引用:生命保険文化センター/令和4年度 生活保障に関する調査
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変額保険・外貨建て保険の違い
変額保険と外貨建て保険はどちらも将来に向けた資産形成を目的としていますが、特徴や向き不向きは大きく異なります。
ここでは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
変額保険の特徴
変額保険は株式や債券を中心とする特別勘定※で資産を運用し、運用実績によって保険金や解約返戻金が変動する保険です。
満期保険金や解約返戻金は同じ保険料の定額保険よりも少なくなるリスクがありますが、運用実績によっては定額保険よりも大きな満期保険金・解約返戻金の受け取りが可能。
運用実績により変動保険金がマイナスになっても、基本保険金額は最低保証されます。
※特別勘定:定額保険の資産とは区別して管理・運用される勘定
変額保険は有期型と終身型の2種類
有期型 | 終身型 | |
---|---|---|
保険期間 | 一定期間 | 一生涯 |
満期保険金 | あり ※最低保証なし |
なし |
解約返戻金 | 増減あり ※最低保証なし |
|
死亡・高度 障害保険金 |
増減あり ※最低保証あり |
|
おすすめの 用途 |
老後資金 / 教育資金 | 相続準備 |
変額保険の仕組み【有期型】
有期型の変額保険は60歳・65歳までなど、一定期間を保障するタイプの保険です。
保険期間中に被保険者が死亡または所定の高度障害状態になると死亡保険金・高度障害保険金、満期時には満期保険金が支払われます。
満期保険金には最低保証がないので運用実績によっては基本保険金額を下回りますが、死亡保険金は最低保証があるため運用実績にかかわらず基本保険金額を下回るリスクはありません。
変額保険の仕組み【終身型】
終身型の変額保険は満期がないので、解約しない限り一生涯保障が続く保険です。
保険期間中に被保険者が死亡または所定の高度障害状態になると死亡保険金・高度障害保険金、解約時には解約返戻金が支払われます。
死亡保険金・高度障害保険金には最低保証があるので基本保険金額を下回るリスクはありませんが、解約返戻金は最低保証がありません。
外貨建て保険の特徴
外貨建て保険は終身保険・養老保険・個人年金などの種類があり、米ドル、豪ドル、NZドルなどの外貨で資産を運用する保険です。
解約のタイミングや解約時の為替レートによっては損失が発生しますが、外貨建て保険を取り扱っている保険会社は一定の規制を設け、より安全に活用できる施策を取り入れています。
払い込む保険料や受け取る保険金などの円換算額は為替相場の影響を受けるため、契約する人は仕組みをよく理解しておきましょう。
変額保険・外貨建て保険の比較表
変額保険 | 外貨建て保険 | |
---|---|---|
通貨 | 日本円 | 外貨 |
運用対象 | 契約者が選択可能 ※保険会社が持つ 複数の特別勘定から |
契約者が選択不可 ※保険会社が外貨で 海外の公社債などに投資 |
運用費 | 保険料もしくは積立金から保険契約の 締結・維持に必要な費用を引いた金額を運用 |
|
その他費用 | 解約控除 運用関係費 |
為替手数料 リフティングチャージ 解約控除 |
主なリスク | 投資リスク | 為替リスク |
死亡保険金 高度障害 保険金 |
運用実績により変動あり ※最低保証あり |
円換算時に増減あり ※為替変動リスクあり |
解約返戻金 | 増減あり ※最低保証なし |
増減あり ※為替交換手数料の 負担あり |
生命保険料 控除 |
対象 |
変額保険のメリット・デメリット
「変額保険」のメリット・デメリットは、以下の点が挙げられます。
・運用実績次第で資産を増やせる ・生命保険料控除を適用できる ・インフレ対策ができる ・運用中の収益は非課税 ・死亡保障がある |
・元本割れのリスクがある ・投資信託よりも利回りが悪い ・運用関連費などがかかる ・デフレに弱い |
変額保険は一般生命保険料控除の対象で、所定の条件を満たせば所得税が最大4万円、住民税は最大2万8,000円の控除の適用が可能です。
運用実績次第で保険金の受取額は増減しますが、死亡保険金は最低保証があるので基本保険金額を下回るリスクはありません。
また、保険会社によっては3大疾病や7大疾病等の罹患により保険料が免除される特約がありますが、積立NISAにはないためそれも大きなメリットの1つです。
特別勘定は運用を保険会社に任せられますが、特別勘定ごとに所定の手数料が積立金から控除されるのを理解しておきましょう。
外貨建て保険のメリット・デメリット
「外貨建て保険」のメリット・デメリットは、以下の点が挙げられます。
・一部を除き日本円より高い金利で運用できる ・通貨リスクを分散できる ・円建の保険より保険料がお手頃 ・最低保証利率がある ・生命保険料控除の対象 |
・為替手数料がかかる ・為替リスクがある ・保険料や保険金、解約返戻金などを円換算する際に為替相場の変動による影響を受ける |
外貨建て保険は、日本よりも金利が高い国の通貨で契約すると、日本の保険に比べて保険料が安くなる傾向です。
解約のタイミングや解約時の為替レートによっては損失が発生しますが、外貨建て保険を取り扱っている保険会社は一定の規制を設け、より安全に活用できる施策を取り入れています。
円とドルの通貨を両替する際の為替レートは保険会社により異なり、一般的に保険会社の手数料が上乗せされるのにも注意しましょう。
変額保険と外貨建て保険の違い:まとめ
変額保険と外貨建て保険がおすすめの人は下記のとおりです。
・運用知識に不安がある人
・長期的な資産形成をしたい人
・運用を保険会社に任せたい人
・資産形成と保障を確保したい人
・通貨リスクを分散したい人
・長期的な資産形成をしたい人
・ある程度資金に余裕がある人
・資産形成と保障を確保したい人
変額保険や外貨建て保険に加入する人は、特徴や向き不向きを踏まえた上で自分のニーズ合うかを検討しましょう。
変額保険と外貨建て保険のどちらが自分に合うかわからない人は、保険のプロに相談するのもおすすめです。