「妊娠したけど仕事がきつくて辞めたい…」
「妊娠で仕事を辞めるとお金に困る?」
妊娠中に仕事を辞めたいと思っても、お金の不安から退職を決断できない人は少なくありません。
特に出産後は、今までの生活費に加えて育児用品や教育費などの支出も増えるため、仕事を辞めても家計が成り立つのか気になるでしょう。
本記事では、妊娠中に仕事を辞めてももらえるお金や、仕事を辞めて専業主婦になるケースと再就職するケースの具体例を解説します。
妊娠中の仕事でしんどさを抱える人は多い

妊娠中はつわりや疲労などで体調が変化し、今までと同じように働くのが難しくなる人もいます。
しゅふJOB総研が実施したアンケート調査では、妊娠中に仕事をしていた人の多くが「仕事中の体調不良への対応」に悩んでいました。
●仕事中に発生する体調不良への対応(65.7%)
●通勤時の負担(57.4%)
●定期健診や体調不良による休みとの両立(48.0%)
●仕事がお腹の子に与える影響(40.8%)
参照:しゅふJOB総研「妊娠中の仕事をテーマとした調査」
仕事そのものはもちろん、満員電車での通勤なども妊娠中の負担に繋がっていると言えます。
つわりの時はもちろん、お腹が大きくなってから通勤するのもしんどいですよね。金銭的に問題ないならいっそ仕事を辞めたいけど大丈夫かな?
家計状況を4項目でチェックすれば、仕事を辞めても収入面での問題はないか判断できますよ。
妊娠中に仕事を辞めたいけどお金は大丈夫?
判断するステップ

妊娠中に仕事を辞めても家計が成り立つかは、次の4つのステップで確認しましょう。
| ① 毎月の収支 | 片働きになった直後、何万円の黒字・赤字になるかを把握。 |
|---|---|
| ② 現金の余力 | 生活防衛資金は原則「生活費6か月分」を現金で確保する考え方。出産関連の支出は別に見る。 |
| ③ 将来の資金繰り | 教育費・住宅・老後まで見て、いつ・いくら不足するか。一時的な赤字か慢性的な赤字かを分ける。 |
| ④ 調整できること | 固定費の見直し、再就職時期、必要な積立額の調整など。保険や投資は必要性を見て最後に考える。 |
大切なのは、毎月の収支だけでなく、貯蓄や将来必要になるお金まで含めて判断する点です。
例えば、仕事を辞めた後も毎月黒字でも、教育費や住宅購入費まで十分に準備できるとは限りません。
反対に、毎月赤字の計算になっても、貯蓄や再就職の予定によっては退職を選べる人もいます。
次に、専業主婦になるAさんと、数年後に再就職するBさんの家計を具体的に見ていきましょう。
妊娠中に仕事を辞めたい人の具体例①
妊娠中に仕事を辞めて専業主婦の予定
ではまず、妊娠中の体調不良をきっかけに仕事を辞めたいAさんの場合を見てみましょう。
Aさんは夫の収入だけでも毎月の生活費をまかなえるため、出産後は専業主婦になるつもりです。
| 項目 | Aさんの家庭 |
|---|---|
| 夫の手取り月収 | 38万円 |
| 妻の手取り月収 | 18万円 → 退職後0円 |
| 現在の毎月の生活費 | 28万円 |
| 出産後の毎月の生活費 | 32万円 |
| 現在の貯蓄 | 300万円 |
※金額は架空の例です。給付金や児童手当、賞与、税金・社会保険料の変化などは計算に含めていません。
確かに生活費だけで見ると、Aさん自身が仕事を辞めても、赤字にはならないので問題ないと言えますが、FP視点ではいくつかの懸念点があります。
FPのチェックポイント
Aさんが仕事を辞めた後も、毎月の生活費を賄うだけの収入が夫にはあり、現金も一定額残せるため、退職は十分検討できる家計です。
ただし、月6万円の黒字はすべて自由に使えるお金ではなく、子どもの教育費や住宅購入など、数年後に必要になるお金もここから準備します。
収入から生活費を引いた単純計算ではなく、「希望する暮らしを続けられるか」まで確認しないと、急な出費に対応できなかったり、想定より貯蓄できない事態に陥りかねません。
妊娠中に仕事を辞めたい人の具体例②
妊娠中に仕事を辞めて再就職の予定
次は妊娠中に仕事を辞めるけど、数年後にはまた働く意思があるBさんを見ていきます。
妊娠中に仕事を辞めて出産後は育児に専念し、子どもが3歳になった頃に再就職する予定のBさん。
| 項目 | Bさんの家庭 |
|---|---|
| 夫の手取り月収 | 30万円 |
| 妻の手取り月収 | 23万円 → 退職後0円 |
| 現在の毎月の生活費 | 28万円 |
| 出産後の毎月の生活費 | 32万円 |
| 現在の貯蓄 | 320万円 |
※金額は架空の例です。給付金や児童手当、賞与、税金・社会保険料の変化などは計算に含めていません。
再就職までの生活費は貯蓄で補いつつ、数年後に働き始めたら本格的に貯金を始めるつもりです。
FPのチェックポイント
| 毎月の不足 | 2万円 |
|---|---|
| 退職後3年間の不足 | 72万円(2万円 × 36か月) |
| 3年後の貯蓄残高 | 248万円(320万円 − 72万円) |
| 生活防衛資金6か月分 | 192万円(32万円 × 6か月) |
| 3年後、上記目安との差 | 56万円(248万円 − 192万円) |
※架空ケースの単純計算。給付金・児童手当、賞与、税金・社会保険料、出産費用、物価変動等は未反映。192万円は目安であり、個別の必要額は異なります。
Bさんは毎月2万円の赤字になりますが、貯蓄があるため、すぐに「仕事を辞められない」と判断する必要はありません。
ただし、生活費6か月分を確保しておくなら、出産時のまとまった支出や再就職が1年遅れるなどの事態には対応しきれない恐れがあります。
Bさんのケースで大切なのは、仕事を辞めるかだけでなく「いつ、どのくらいの収入で再就職すれば、希望の生活を維持できるか」を逆算する視点です。
根本的に見直さないとお金の不安は消えない
専業主婦でも再就職の予定でも、妊娠中に仕事を辞めるなら将来の家計をシミュレーションしとくほうがいいんですね。
お金の不安を根本的に解決するには、不安の具体化と将来の収支の見える化が重要なんです。
妊娠中に仕事を辞めるか悩んでいる人の中にある根本的なお金への不安は具体的に言語化し、対策を取らないとなかなか解消できません。
- 不安の例
●夫の収入だけで毎月の生活費を賄える?
●出産後も教育費や老後資金を貯められる?
●貯金を取り崩さずに生活できる?
●住宅ローンや家賃を払い続けられる?
●何年後までに再就職すれば家計が成り立つ?
●夫が病気や失業で働けなくなったらどうする?
お金の不安を具体化すると、何を見直せばよいのか、どのような対策が必要なのかが見えてきます。
- ●夫の収入だけで毎月の生活費を賄える?
→固定費を見直す。それでも不足するなら、積立額等の調整や数年後の再就職を視野に入れる。
将来の収支を見える化する意味
現在の収支や貯蓄額、子どもの進学先や住宅購入の時期などの希望をもとにライフプランを立てれば、将来の収支は見える化できます。
今後の収支の流れや、お金が不足する時期、必要となる金額などを把握する最も大きな意味は、「不安に対してズレのない対策を取れる」です。
さらに将来のお金の流れがわかると、漠然とした不安も薄らぎますよ。
「何年後に家を建てたい」「子どもは大学まで行かせたい」など希望は家計によって違うので、自分たちに合ったライフプランをFPと作成しましょう。
妊娠と仕事とお金に関するよくある質問

妊娠中に仕事を辞めたら失業保険はもらえる?
妊娠中に退職しても、再就職する意思があり、すぐに働ける状態なら、雇用保険の基本手当を受け取れるケースがあります。
ただし、出産や育児ですぐに働けないなら受給期間の延長を申請し、出産・育児が落ち着いてから受給する形になるでしょう。
妊娠中に仕事を辞めたら扶養に入れる?
仕事を辞めた後に、配偶者が加入する健康保険の扶養に入るケースは珍しくありません。
ただし、収入の見込みや受け取る給付金などによっては、扶養の対象にならない人もいます。
扶養に入れなければ、国民健康保険や国民年金などの保険料が発生するため、仕事を辞めた後の支出として計算しておきましょう。
妊娠中に仕事を辞めたいけど貯金がないときは?
仕事を辞めたいけど貯金が少ない人は、退職後に毎月いくら不足するのかを先に計算しましょう。
さらに、出産育児一時金や妊婦のための支援給付などを確認し、利用できる支援まで把握すると◎
また、退職せずに勤務時間の短縮や業務内容の変更、休業などで負担を減らせるケースもあります。
体調がつらいときは医師へ相談し、勤務先の制度も確認して、家計と健康の両面から判断しましょう。
妊娠中に仕事を辞めるならいつがいい?
仕事を辞める時期によって、出産手当金などの給付金を受け取れるかが変わります。
例えば、出産手当金は退職前の健康保険の加入期間や退職日の状態など、一定の条件を満たすと仕事を辞めた後も継続して受給できます。
また、退職日によって給与や賞与、社会保険料などの取り扱いが変わるケースもあります。
退職を決める前に勤務先と加入する健康保険へ確認し、受け取れる金額を比較しておきましょう。
妊娠で仕事を辞めるならお金のシミュレーションをしよう

妊娠中に仕事を辞めたいと思っても、お金の不安からなかなか決断できない人は少なくありません。
現在の家計を整理し、出産後の生活費や育児費用、再就職の予定などを踏まえて、将来のお金をシミュレーションすれば、仕事を辞めても大丈夫なのか判断できるでしょう。
将来の収支、予定まで含めた試算を自分でするのは大変なので、FPに仕事を辞めた後の家計や貯蓄の見通しをチェックしてもらうのもおすすめです。



