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50歳からiDeCoとNISAどっち?後悔しない選び方と注意点

50歳からiDeCoとNISAどっち?後悔しない選び方と注意点

「50歳から始めるならiDeCoとNISAはどっちがいい?」
「退職まで10年しかないけど、今からでも間に合う?」

50歳から老後資金を準備するなら、お金を使う予定の年齢や現在の収入によって、iDeCoとNISAのどちらが向いているか変わります。

NISAは必要な時期に資産を売却でき、iDeCoは掛金の所得控除を受けながら老後資金を積み立てられる制度です。

この記事では、50歳から始めるiDeCoとNISAの違いを、積立金額・運用商品・引き出し時期・税金・相続まで比較していきましょう。

※iDeCoの掛金上限や加入可能年齢は、2026年12月1日施行予定の制度改正後の内容を基準に解説しています。

50歳からの資産運用はiDeCoとNISAどっちがおすすめ?

50歳からiDeCoとNISAのどちらを始めるか迷ったら、まずは大きな違いを確認しましょう。

5つの項目で比べると、下記の通りです。

iDeCoとNISAの主な違い
比べる項目 NISA iDeCo
1年に入れられる上限 360万円 会社員は最大74.4万円
自営業は最大90万円
選べる商品 投資信託
個別の株
投資信託
元本が減らない商品
引き出せる時期 いつでも 原則60歳以降
始めた年齢で変わる
積み立てる間の税金 優遇なし 掛金の分だけ安くなる
受け取る際の税金 かからない かかる人もいる
一定額までは0円
※iDeCoの金額は、2026年12月1日施行の改正後の上限です。企業年金がある会社員は、上限がこれより低くなります。

NISAの強みは、いつでも引き出せて、受け取る際にも税金がかからない自由さにあります。

iDeCoの強みは、積み立てる間に所得税と住民税が安くなる仕組みです。

50歳からNISAを始めるのがおすすめの人

NISAは「少額投資非課税制度」の愛称で、個人の資産形成を後押しするための制度として作られています。

投資の制度なので、投資信託や個別の株など、値上がりや配当が期待できる商品から選べるのが特徴です。

普通の口座なら運用で増えた分に約20%の税金がかかりますが、NISAならゼロになります。

いつでも必要な金額だけ売って引き出せるため、退職前でも退職後でも自由に使えるお金を準備したい人に合うでしょう。

50歳からiDeCoを始めるのがおすすめの人

iDeCoは「個人型確定拠出年金」の愛称で、自分で老後の年金を準備するための制度として作られています。

年金の制度なので、元本が減らない商品も選べ、投資をしたくない人や退職が近い人も使えるのが特徴です。

掛金は全額が所得控除の対象になり、元本が減らない商品を選んでも所得税と住民税を減らせます。

原則60歳より前には引き出せないため、所得税や住民税を納めていて、老後まで使わないお金を準備したい人に合うでしょう。

iDeCoとNISAの併用がおすすめの人

50歳からiDeCoとNISAを併用するのがおすすめなのは、生活費や貯蓄を確保したうえで、毎月の積立資金に余裕がある人です。

例えば、毎月5万円を投資に回せるなら、iDeCoに2万円、NISAに3万円と分ける方法もあります。

iDeCoで所得控除を受けながら、NISAで必要な時期に使える資産を準備できるため、老後資金の使い道に合わせて積立額を調整しましょう。

50歳からiDeCoやNISAを始めるならどこで口座開設する?

50歳からiDeCoやNISAを始めるなら、取扱商品や手数料、積立のしやすさを比較して金融機関を選びましょう。

NISAを始めたい人におすすめの証券会社

NISAを始めたい人におすすめの証券会社4社を比較すると、主な違いは下記の通りです。

証券会社 50歳から始める人向けの特徴
松井証券松井証券 ・投資信託は100円から積立可能
・NISA専用の電話サポートあり
・JCBカード積立に対応
・iDeCoも取扱いありNISA口座開設(無料) ›
マネックス証券マネックス証券 ・dカードで投信積立ができる
・条件に応じdポイントが貯まる
・日本株や米国株にも投資可能
・iDeCoも取扱いありNISA口座開設(無料) ›
三菱UFJ eスマート証券三菱UFJ eスマート証券 ・Pontaポイントが貯まる
・三菱UFJカード積立に対応
・投資信託保有でポイント付与
・MUFGのiDeCoを案内NISA口座開設(無料) ›
SBI証券SBI証券 ・低コストの投資信託が豊富
・投資信託は100円から積立可能
・三井住友カード積立に対応
・iDeCoも取扱いありNISA口座開設(無料) ›

※ポイント還元率や対象商品は、利用するカードや各社の条件によって異なります。

松井証券は100円から投資信託を積み立てられ、NISA専用の電話サポートも利用できるため、初めて投資する50代にも向いています。

マネックス証券はdカード、三菱UFJ eスマート証券はPontaポイント、SBI証券は三井住友カードとの組み合わせが特徴です。

普段利用しているカードや、困った際の相談方法を比べると、自分に合う証券会社を選びやすいでしょう。

50歳からの口座開設先を選ぶ際のポイント

50歳からの口座開設では、積立金額や購入したい商品に加え、退職後も使いやすい金融機関を選ぶのが重要です。

同じ投資信託なら金融機関によって値動きは変わりませんが、ポイント還元の条件や相談窓口の使いやすさには違いがあります。

投資経験が少ない人は、電話サポートや積立設定の操作方法まで確認しておくと、退職後も無理なく資産管理を続けやすいでしょう。

50歳からiDeCoとNISAはそれぞれいくら積み立てられる?

NISAとiDeCoは、どちらも投資できる金額に上限があります。

50歳から始めるなら、60歳までの約10年間でいくら積み立てられるかを知っておくと、毎月の金額を決めやすくなります。

専門用語もかみくだきながら、制度ごとの違いを見ていきましょう。

50歳からNISAで投資できる金額の上限

NISAには、1年間に投資できる上限と、一生のうちに投資できる上限の2つがあります。

NISAで投資できる金額の上限
1年間の上限
360万円
月に直すと30万円まで
つみたて投資枠120万円
+成長投資枠240万円
一生の上限
1,800万円
買った金額の合計で計算
値上がり分は数えない
うち成長投資枠は
1,200万円まで

年360万円は毎年入れなければならない金額ではなく、あくまで上限です。

使わなかった年の枠は翌年に繰り越せませんが、一生分の1,800万円が減るわけではありません。

投資が初めての50代は、月1万円など無理のない金額の積立から始めましょう。

50歳からiDeCoで積み立てられる金額の上限

iDeCoの掛金(毎月積み立てるお金)の上限は、働き方と勤務先の企業年金の有無で変わります。

iDeCoの掛金の上限(2026年12月施行の改正後)
働き方 毎月の上限
(年間の上限)
自営業・フリーランス
第1号被保険者
※国民年金基金などと合わせて
75,000円
(年90万円)
会社員(企業年金なし)
第2号被保険者
62,000円
(年74.4万円)
会社員(企業年金あり)
第2号被保険者
62,000円
−企業年金の掛金分

(人により異なる)
公務員
第2号被保険者
54,000円
(年64.8万円)
専業主婦・主夫
第3号被保険者
※改正後も変わらず
23,000円
(年27.6万円)
※2026年12月分(2027年1月引き落とし分)から適用される金額です。
※改正前は、企業年金がない会社員の上限は月23,000円でした。
※掛金は月5,000円以上、1,000円単位で設定します。
※企業型DCで自分の掛金を上乗せ(マッチング拠出)している人は、iDeCoに加入できません。

引用:厚生労働省「iDeCoがパワーアップします!」/厚生労働省「国家公務員・地方公務員の皆さまへ」

企業年金(会社が用意する年金制度)がある会社員は、62,000円から企業年金の掛金分を引いた額が上限です。

たとえば企業型DC(会社が掛金を出す年金制度)で会社が月2万円を出していれば、iDeCoに使える上限は月42,000円になります。

退職金の制度として企業年金に知らないうちに加入している人もいるため、申し込む前に人事担当者へ確認しましょう。

50歳から60歳までの積立金額を比較

50歳から60歳までの10年間、上限まで積み立てた元本(自分で入れたお金)を比べると下記の通りです。

10年間で積み立てられる元本の上限
制度・働き方 10年間の元本
NISA
働き方は問わない
1,800万円
年360万円なら5年で到達
iDeCo
自営業・フリーランス
900万円
iDeCo
会社員(企業年金なし)
744万円
iDeCo
公務員
648万円
iDeCo
専業主婦・主夫
276万円
※運用で増えた分を含まない、自分で入れたお金の合計です。
※iDeCoは改正後の毎月の上限で10年間積み立てた計算です。
※企業年金がある会社員のiDeCoは、勤務先の掛金によって金額が変わります。
※60歳以降も積み立てを続けられる人もいますが、ここでは60歳までで計算しています。

上限で比べると、NISAはiDeCoの2倍以上の金額を積み立てられます。

ただし毎月の積立額が同じなら、10年間の元本はNISAでもiDeCoでも変わりません。

毎月の積立額ごとの10年間の元本
月1万円
120万円
月3万円
360万円
月5万円
600万円
※専業主婦・主夫のiDeCoは月23,000円が上限のため、月3万円以上は積み立てられません。

一方、60歳までに元本1,000万円を積み立てたいなら、iDeCoだけでは届きません。

目標にする元本が表のiDeCoの上限を超えるなら、NISAも使う前提で積立額を決めましょう。

iDeCoとNISAでは運用できる商品にどんな違いがある?

NISAとiDeCoは、制度自体に利回りが決まっているわけではありません。

お金の増え方や減り方は、制度の中でどの商品を選ぶかで変わります。

選べる商品を増え方のタイプで分けると、NISAとiDeCoの違いは下記の通りです。

NISAとiDeCoで選べる商品の違い
商品のタイプ NISA iDeCo
投資信託
値動きで増えたり減ったりする
○ ○
個別の会社の株
1社ずつ選んで買う
○ ×
元本が減らない商品
金利で少しずつ増える
× ○

投資信託は、NISAとiDeCoのどちらでも選べます。

個別の会社の株はNISAだけ、元本が減らない商品はiDeCoだけで選べるのが違いです。

それぞれで選べる商品を詳しく見ていきましょう。

NISAで運用できる商品の種類

NISAで選べるのは、投資信託(多くの会社にまとめて投資する商品)と、日本株などの個別の会社の株です。

つみたて投資枠で買える商品
金融庁の基準を満たした投資信託
・長く積み立てる人に向けた商品に限定
・対象は約360本(2026年8月時点)
成長投資枠で買える商品
投資信託に加えて、日本株・外国株などの個別の株
・毎月分配型や値動きが極端に大きい一部の投資信託は対象外

NISAでは、世界中や米国の多くの会社にまとめて投資する投資信託が人気を集めています。

投資信託は1つの商品で多くの会社に分けて投資するため、1社の業績が悪くなっても影響が小さいのが特徴です。

iDeCoで運用できる商品の種類

iDeCoで選べるのは、元本が減らない商品と投資信託の2タイプです。

元本が減らない商品(元本確保型)
金利が決まっていて、満期まで持てば元本が減らない
・iDeCo専用の定期預金
・保険会社の積立商品(医療保険のような保障はない)
投資信託
NISAと同じく値動きがある商品
・選べるのは金融機関が用意した数十本ほど
※元本が減らない商品でも、満期前に別の商品へ切り替えると、利息が減ったり元本を下回ったりする商品もあります。

iDeCoでは、退職が近い年代ほど元本が減らない商品を選ぶ割合が高くなっています。

毎月の掛金は、元本が減らない商品と投資信託に好きな割合で分けて積み立てられるのが特徴です。

運用商品による利回りや元本割れリスクの違い

利回りや元本割れのリスクは、制度ではなく選ぶ商品によって決まります。

商品ごとの値動きと元本割れの違い
商品のタイプ 値動き 元本割れ
元本が減らない商品
iDeCoのみ
ほぼなし なし
満期まで持てば
債券中心の投資信託
NISA・iDeCo
小さめ あり
株式中心の投資信託
NISA・iDeCo
大きい あり
※債券は、国や会社にお金を貸して利息を受け取る商品です。

値動きが大きい商品ほど、増える期待と元本割れのリスクがどちらも大きいのが特徴です。

月3万円を10年間積み立てた例で、商品のタイプごとの違いを比べてみましょう。

月3万円を10年間積み立てた例(元本360万円)
商品のタイプ
利回りは公的年金の運用機関の想定
10年後の金額
元本が減らない商品
年0.2%で計算
約364万円
債券中心の投資信託
年0.5%で計算
約369万円
株式中心の投資信託
年5.4%で計算
約476万円
※想定の利回りで計算した例で、将来の金額を約束するものではありません(手数料・税金は含まず)。

引用:GPIF「第5期中期目標期間における基本ポートフォリオについて~詳細~」

あくまで一例ですが、利回りが高い株式中心の投資信託ほど、10年後の金額が大きくなる計算です。

ただし、値動きが大きいぶん、途中で元本を下回る年の発生もゼロではありません。

50歳からiDeCoやNISAを始めるといつお金を引き出せる?

老後に向けたお金でも、使いたい時期に引き出せるかどうかは大切な判断材料です。

NISAとiDeCoでは、お金を引き出せる時期が大きく異なります。

NISAで積み立てたお金を引き出せる時期

NISAで積み立てたお金は、年齢に関係なくいつでも引き出せます。

NISAのお金を引き出す流れ
①持っている投資信託などを、必要な分だけ売る
②売ってから数日後に、証券口座にお金が入る
③証券口座から、自分の銀行口座へ出金する

NISAで持てる期間に期限はなく、60歳以降も必要な分だけ少しずつ売って使える仕組みです。

公的年金は原則65歳からのため、60歳で退職すると、働かなければ給料も年金も入らない期間が5年ほど続きます。

NISAなら、退職した翌月からでも必要な分だけ売って、年金が始まるまでの生活費に充てられるのが強みです。

60〜65歳の生活費の準備に
松井証券のNISA

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iDeCoで積み立てたお金を受け取れる年齢

iDeCoのお金は、原則として60歳になるまで引き出せません。

さらに、60歳から受け取れるのは、60歳までの加入期間が10年以上ある人だけです。

iDeCoを始める年齢と受け取りを始められる年齢
始める年齢 受け取りを
始められる年齢
50歳
加入期間10年
60歳から
1か月でも短いと61歳
51〜52歳
加入期間8〜9年
61歳から
53〜54歳
加入期間6〜7年
62歳から
55〜56歳
加入期間4〜5年
63歳から
57〜58歳
加入期間2〜3年
64歳から
59歳
加入期間1年
65歳から
※誕生日の月に加入して60歳まで続けたと仮定した目安です。会社の企業型DCに入っていた期間も足して数えます。

受け取り方は、まとめて受け取る「一時金」、分けて受け取る「年金」、両方の組み合わせから選べます。

年金で受け取る場合は受け取る期間と回数を最初に決めるため、NISAのように必要な分だけ引き出す使い方はできません。

50歳から税金を節約するならiDeCoとNISAどっち?

NISAとiDeCoは、どちらも税金の優遇がある制度です。

ただし、税金が安くなるタイミングがそれぞれ異なります。

iDeCoとNISAの税金の違い
タイミング iDeCo NISA
積み立てる間 ○
所得税・住民税が安くなる
−
優遇なし
受け取る・
引き出す際
△
非課税の金額を超えた分に税金がかかる
○
増えた分も含めて税金なし

iDeCoは積み立てる間に節税がしやすい一方、受け取る際に税金の対象になるのが大きな違いです。

積み立てる間に税金が安くなるのはiDeCoだけ

iDeCoの掛金は全額が所得控除(税金を計算するもとの金額から差し引ける分)になり、所得税と住民税が安くなります。

1年間に安くなる税金の目安を、所得税の税率と掛金ごとに見てみましょう。

iDeCoで1年間に安くなる税金の目安
所得税の税率 掛金
月1万円
掛金
月2万円
5%
課税所得195万円以下
年1.8万円 年3.6万円
10%
課税所得195万円超〜330万円以下
年2.4万円 年4.8万円
20%
課税所得330万円超〜695万円以下
年3.6万円 年7.2万円
※掛金の全額(月2万円なら年24万円)を所得から差し引いた結果、安くなる所得税と住民税の合計です。復興特別所得税は含めていません。

所得税10%の人が月2万円を10年間積み立てると、安くなる税金は合計で約48万円です。

NISAの非課税は手続きなしで受けられますが、iDeCoの節税は毎年の手続きをして初めて受けられます。

会社員(給料天引きの人を除く)は10月ごろに届く払込証明書を年末調整で会社に出し、自営業の人は確定申告で掛金を申告する流れです。

NISAは運用で増えたお金がずっと非課税

普通の証券口座で投資すると、運用で増えた利益に約20%の税金がかかります。

運用で100万円増えた例
普通の証券口座
税金が約20万円かかり、手元に残るのは約80万円
NISA
税金は0円で、100万円をすべて受け取れる

NISAなら税金がかからないため、増えた100万円をすべて受け取れるのが特徴です。

引き出す年齢や退職金の有無に関係なく、いつでも非課税のまま受け取れます。

iDeCoは受け取る際の税金が退職金と受け取り方で変わる

iDeCoを受け取る際の税金は計算が少し複雑なため、ここでは押さえておきたい仕組みに絞って説明します。

iDeCoは受け取る際に、受け取り方ごとに決まった控除(税金の計算で差し引ける金額)の範囲内なら税金がかかりません。

まとめて受け取る際の「退職所得控除」は、iDeCoで掛金を出した期間1年につき40万円で、50歳から10年間なら400万円です。

ただし、退職所得控除は会社の退職金と共通のため、退職金を受け取る人はiDeCoの分が残りにくくなります。

340万円をまとめて受け取る例で、退職金の有無による差を見てみましょう。

掛金240万円+増えた100万円=340万円を受け取る例
受け取る人 税金 手元に残る額
退職金がない人
自営業、退職金制度がない会社の会社員など
0円 約340万円
退職金で退職所得
控除を使い切った人
約34万円 約306万円
※2行目は、所得税10%・住民税10%と仮定した計算です。

退職金が多い人もiDeCoを「年金」で受け取れば、退職所得控除ではなく「公的年金等控除」を使う仕組みです。

なお、公的年金等控除は公的年金と共通のため、65歳から公的年金が始まるとiDeCoの分が残りにくくなります。引用:財務省「年金課税と退職所得課税」(税制調査会資料)

ほかにも、iDeCoと退職金を受け取る順番や間隔で税金は変わるため、受け取る前に勤務先や税務署へ確認すると安心です。

iDeCoが得かどうかは、積み立てる間に安くなる税金から、受け取る際の税金を差し引いて判断しましょう。

家族に資産を残すならiDeCoとNISAどっち?

iDeCoとNISAでは、本人が亡くなった際に家族がお金を受け取る形が異なります。

まずは主な違いを一覧で確認しましょう。

家族に残す際のiDeCoとNISAの違い
比べる項目 iDeCo NISA
家族が受け取る形 現金
死亡一時金
投資商品のまま
売って現金にもできる
受け取る人 本人が指定した人、または決まった順位の遺族 遺言や話し合いで決めた相続人
相続税の扱い 相続税の対象
500万円×法定相続人の数までは非課税(会社の死亡退職金と合わせて)
相続税の対象
ほかの遺産と同じ扱いで、特別な非課税はなし
受け取った後に増えた分 ―
現金で受け取るため
約20%の税金がかかる
※iDeCoもNISAも、遺産の合計が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えた分に相続税がかかります。

相続税がかかるのは、亡くなった人の約1割です。引用:第一生命経済研究所「令和6年分相続税の申告事績」の分析(国税庁データ)

相続税がかからない家庭なら、非課税になる金額の違いは関係ありません。

iDeCoは家族が現金で受け取る

iDeCoに入っている人が亡くなると、家族が請求の手続きをしたあとに商品が売られ、「死亡一時金」として現金で受け取る仕組みです。

死亡一時金は相続税の対象ですが、会社の死亡退職金と合わせて「500万円×法定相続人の数」まで非課税。

家族が請求しないと受け取れないため、iDeCoの加入と金融機関名を家族に伝えておきましょう。

NISAは家族が投資商品のまま引き継ぐ

NISAで持っていた投資信託や株は、売らずに投資商品のまま家族が引き継げます。

ただし、引き継げるのは中身の商品だけで、NISA口座は引き継げない仕組みです。

家族は、同じ証券会社の自分の口座に移して持ち続けるか、売って現金で受け取るかを選べます。

亡くなった日までに増えた分は非課税のままですが、それ以降に増えた分は約20%の税金の対象です。

57歳・58歳から始めるならiDeCoとNISAどっち?

57歳・58歳から始めると、iDeCoは使える期間が短くなる一方、NISAには年齢による制限がありません。

どちらが合うかは、60歳以降も働くかと、お金をいつ使いたいかで判断できます。

57歳・58歳から始める人の選び方
あなたの状況 合いやすい制度
60歳以降も会社員として働き、所得税を納める予定 iDeCoとNISAの併用
iDeCoの節税を65歳まで受けられる
60歳前後で仕事を辞める予定 NISA中心
iDeCoの節税は2〜3年で終わる
60代前半に使うお金を準備したい NISA中心
iDeCoは64〜65歳まで受け取れない
※会社の企業型DCに入っていた期間がある人は、iDeCoの受け取りを早く始められることもあります。
※2026年12月からは、条件を満たせば70歳になるまでiDeCoの積み立てを続けられますが、老齢基礎年金を受け取り始めると続けられません。

引用:厚生労働省「iDeCoの加入可能年齢の引き上げ」

57歳からiDeCoとNISAを始める際の選び方

57歳からiDeCoを始めると、会社員なら65歳まで最長8年間積み立てられます。

所得税20%の人が月2万円を8年間続けると、安くなる税金は合計で約57.6万円です。

一方、60歳で仕事を辞めるとiDeCoの期間は3年になり、受け取れるのも64歳からになります。

60歳以降も働くならiDeCoとNISAの併用、60歳で辞めるならNISA中心と考えると判断しやすいでしょう。

58歳からiDeCoとNISAを始める際の選び方

58歳からiDeCoを始めると、60歳までに積み立てられるのは2年間です。

加入が1か月でも遅れると、受け取りを始められるのは65歳からになります。

57歳よりさらにiDeCoの期間が短いため、60歳前後で仕事を辞めるなら、いつでも引き出せるNISAが使いやすい選択肢です。

65歳まで会社員として働くなら7年間積み立てられ、iDeCoの節税も7年分受けられます。

50歳からiDeCoやNISAを始める際の注意点

50歳からの資産形成は、退職までの期間が限られます。

始める前に、次の3つの注意を押さえておきましょう。

退職後の生活費や急な出費に備える資金を残す

iDeCoとNISAのどっちを使うにしても、積立額を増やしすぎると預金が減り、急な出費に対応しにくくなります。

たとえば65歳以上の夫婦のみの無職世帯の生活費は月約26.4万円で、住宅の修繕や介護で出費が増える年もあるのが実情です。

生活費の半年分(約158万円)など、預金で残すお金を先に決めてから、残りを投資に回しましょう。

50代からの投資は元本割れした際の影響も考える

投資信託などは短い期間で大きく値下がりする年があり、退職まで10年ほどの50代は回復を待てる時間が限られます。

たとえばリーマンショックの2008年度には海外の株式が1年で43.2%下がり、360万円なら約204万円に減る計算です。

数年以内に使う予定のお金は投資に回さず、下がっても待てるお金だけで運用しましょう。

iDeCoは退職後の収入によって節税効果が変わる

iDeCoで節税できる金額は、60歳以降の給料や退職金の額によって大きく変わる仕組みです。

たとえば大卒で35年以上勤めた人の退職給付は平均2,037万円で、勤続38年の退職所得控除2,060万円をほぼ使い切ります。

退職金の見込み額を確認し、iDeCoを一時金と年金のどちらで受け取るかを始める前に考えておきましょう。

50歳からのiDeCoとNISAは目的に合わせて選ぼう

所得税を納めていて老後まで使わないお金を準備するならiDeCo、退職前後も自由に使えるお金を準備するならNISAが合います。

ただし、iDeCoは受け取り方や退職金との関係などルールが細かいため、難しいと感じるならNISAから始めると分かりやすいでしょう。

証券会社の総合口座とNISA口座は無料で一緒に開けるため、まずは口座だけ用意しておくと、始めたい時期にすぐ動けます。

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グッドカミング編集部
グッドカミングは、保険/資産運用/将来設計/投資など「お金」の悩みを解決するWebメディアです。ファイナンシャルプランナーが記事を監修し、情報の信頼性を担保。様々な経歴のライターが、自身の経験やお金に悩む人の体験談を基に記事を執筆しています。