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不動産投資の初期費用はいくらかかる?詳細な内訳や抑えるポイントを解説

不動産投資の初期費用はいくらかかる?詳細な内訳や抑えるポイントを解説

不動産投資の初期費用はいくらかかる?
初期費用の内訳は?

不動産投資を始めるにあたって、初期費用は結局いくら必要なのか気になっている方も多いですよね。

この記事では、不動産投資の初期費用の目安や内訳、初期費用を抑えるポイント、運用後にかかる費用と発生しうるリスクを解説します。

これから不動産投資を始めたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

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グッドカミング編集部
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不動産投資の初期費用の目安

不動産投資を始めるには、アパートやマンション・戸建て住宅などを購入する必要があり、投資用不動産の価格は数百万~数千万円になるケースが一般的です。

ただ、高額な投資物件を自己資金だけで購入する人はまれで、金融機関から融資(ローン)を受けて物件購入する人がほとんど。

不動産投資の初期費用は、取引相手や物件価格、ローンの有無などによって異なりますが、物件の購入価格の8〜10%ほどが目安と言われています。

また、ローンを利用する場合は、物件価格の10〜20%ほどの頭金を準備しておくのが一般的なので、合計で物件価格の20〜30%の自己資金を準備しておくと安心でしょう。

物件価格 購入可能物件の例 初期費用の目安(20~30%)
1,000万円
区分マンション
など
200万
~300万円
2,000万円
1棟アパート
など
400万
~600万円
5000万円
1棟アパート
など
1000万
~1,500万円
6000万円
1棟マンション
1棟アパートなど
800万
~1,200万円
1億円
1棟マンション
収益ビルなど
2,000万
~3,000万円

不動産投資にかかる初期費用の内訳

不動産投資にかかる主な初期費用の内訳は以下の通りです。

不動産投資にかかる初期費用の内訳
✅ 物件の頭金(ローンを利用する場合)
✅ 不動産登記費用(登録免許税・司法書士報酬)
✅ 各種税金(不動産取得税/印紙税/固定資産税・都市計画税)
✅ ローン事務取扱手数料・保証料
✅ 火災保険料・地震保険料
✅ 仲介手数料(不動産業者を利用する場合)

物件の頭金(ローンを利用する場合)

ローンを利用して物件を購入する場合は、物件の頭金としてある程度のまとまった自己資金が必要です。

物件の頭金は、物件価格の10〜20%が目安ですが、収入や勤務先、物件の担保評価額金融機関によっては20%以上の頭金を求められるケースも

頭金を少なくすると初期費用は抑えられますが、借入額が大きくなり、毎月の返済額も多くなってしまいます

ある程度の支出には耐えられる資金は手元に残しておき、バランスを考慮しながら金額を決めましょう。

※担保評価額とは?
住宅ローンなどの融資に担保として設定する不動産の評価金額。

不動産登記費用(登録免許税/司法書士報酬)

✅登録免許税

不動産を購入する際には、不動産所有者の住所・氏名を登記簿に記載し、権利関係を明確にするための不動産登記の手続きが必要です。

不動産登記の手続きには、登録免許税法で納税が義務付けられており、中古物件か新築物件かで登録免許税の税率は異なります。

所有権保存登記(新築の場合):0.4%
所有権移転登記(中古の場合):2%
(令和8年3月31日まで1.5%の軽減措置あり)

登録免許税は、物件の購入価格ではなく、固定資産税評価額に税率をかけて計算されるのが一般的

※固定資産税評価額とは?
市区町村が作成している固定資産課税台帳に記載されている土地・家屋の評価額。物件価格の7割ほど。

また、不動産投資ローンを組む際には、金融機関が物件の抵当権を設定されます。

抵当権は、万が一ローン返済が滞った場合に土地・建物を売却し、その売却代金をローン残債の回収に充てられる権利。

抵当権設定登記の登録免許税は、借入金額の0.4%です。

例外として住宅ローンに関するもので減額要件を満たす場合、債権額の0.1%になります。 保証会社の住宅ローン保証による求償債権や、分割返済による住宅購入代金債権についても同様です。

✅司法書士報酬

所有権や抵当権設定の不動産登記は、手続きが複雑で専門知識が必要になるため、司法書士に依頼するのが一般的です。

司法書士報酬は10~20万円ほどですが、依頼先によって異なります。

不動産会社や金融機関から紹介してもらった場合でも、報酬額の見積もりを依頼し、相場からかけ離れていないかをチェックしましょう。

各種税金(不動産取得税/印紙税/固定資産税・都市計画税)

✅不動産取得税

物件を購入(所有権を取得する)と納税の義務が発生し、購入してから3か月~半年ほどで地方自治体から不動産取得税の納付書が届きます。

投資用不動産は、物件の価格ではなく固定資産税評価額に不動産取得税が4%かかります。

もし、固定資産税評価額が1,000万円の物件を購入すると、数か月後に40万円を納税しなければなりません

購入時に不動産取得税の支払いは発生しませんが、初期費用としてあらかじめ準備しておきましょう。

✅印紙税

印紙税は印紙税法で定められた契約書や領収書などの、「課税文書」に対して課税される税金です。

ローンの契約書である「金銭消費貸借契約書」と物件の購入にかかわる「不動産売買契約書」には収入印紙が必要になります。

※収入印紙とは?
租税や手数料、その他の収納金微収のために政府が発行する証票。

印紙税額は以下の通り。

契約金額
税額(本則)
税額(軽減後)
※令和6年3月31日まで
100万円~500万円
以下
2,000円 1,000円
500万円~1,000万円
以下
1万円 5,000円
1,000万円~5,000万円
以下
2万円 1万円
5,000万円~1億円
以下
6万円 3万円

印紙税の税率は、経済取引の規模によって税率が異なる累進課税制なので、国税庁のホームページで最新情報をチェックしてから印紙を購入しましょう。

収入印紙の貼り忘れや消印がないと、過怠税として税額の3倍が徴収されるので注意が必要です。

✅固定資産税・都市計画税

固定資産税は、アパートや土地等を所有している人が支払う税金で、1月1日の時点で不動産を所有する人に課税されます。

また、購入した不動産が市街化区域内にあると、都市計画税を支払わなければなりません

固定資産税と都市計画税の上限は以下の通り。

固定資産税:物件の固定資産税評価額の1.4%
都市計画税:固定資産税評価額の0.3%

年の途中で物件を売却・購入しても、その年の固定資産税や都市計画税は売主に全額課税されます。

そのため、物件の引き渡し日の前後で、納税額の日割りをした税額分を売主に支払い精算するのが一般的です。

ローン事務取扱手数料・保証料

✅ローン事務手数料

ローン事務手数料は、不動産投資ローンを借り入れる金融機関に支払う手数料です。

事務手数料は、定額制と定率制の2種類があり、定額制は3~6万円ほど、定率性は借入金額の1%~3%が一般的

定額制:借入金額に関わらず手数料は一律
定率制:借入金額に応じて手数料が変動

定率制だと借入金額が高くなるほど、融資事務手数料の金額も高くなります

金融機関を選ぶ時は、融資事務手数料のタイプや金額を確認しておきましょう。

事務手数料の一部として、物件調査のための出張手数料がかかるケースもあります。

✅ローン保証料

ローン保証料は金融機関がローン保証会社と契約を結ぶ際に支払う費用で、保証料が不要なケースも。

保証料の支払方法は、外枠方式と内枠方式の2種類です。

●外枠方式
契約時に借入金額の1〜2%程を一括で支払う方法
●内枠方式
融資の金利に年0.2%~0.3%程を上乗せして支払う方法

保証料は、借り主の信用度や支払いの期間により異なりますが、外枠方式で支払うと内枠方式よりも総額が抑えられます

内枠方式は初期費用が抑えられますが、毎月の支払い額は多くなるので、支払方法は先々を見据えて慎重に選びましょう。

火災保険料・地震保険料

投資用物件を購入する際には、地震や火災、台風などの災害リスクへの備えとして、火災保険と地震保険に加入しておくのが一般的です。

地震保険は火災保険に付帯する方式での契約になるので、火災保険とセットで加入しておきましょう。※1

補償範囲

火災保険:火災や落雷、爆発、台風や豪雨による水災などで損害した建物や家財 等
地震保険:地震や噴火、津波、地震による火災などで損害した建物や家財 等

金融機関によっては、不動産投資ローンの融資条件に火災保険への加入が含まれるケースも。

火災保険の保険料は、建物の評価額や構造、補償内容によって変化しますが、区分ワンルームは年2万円ほど、木造は鉄筋コンクリート造の3倍ほどになります。

保険代理店を兼ねている不動産会社もあるので、物件紹介の際に相談するとスムーズです。

不動産仲介手数料(不動産業者を利用する場合)

不動産会社を通して物件を購入する際には、仲介手数料が必要になります。

仲介手数料は、売買契約が成立した場合に不動産会社に対して支払う費用で、上限額は宅地建物取引業法のの第46条で定められています。※2

取引物件価格(税抜) 仲介手数料の上限
200万円以下 取引物件価格(税抜)×5%+消費税
200万円超~400万円以下 取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税
400万円超 取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税

ただ、知人に仲介してもらう場合や不動産会社が売主として提供している物件を購入する場合など、仲介手数料が不要になるケースも。

初期費用を抑えたい方は、仲介手数料がかからない不動産会社の利用するのがおすすめです。

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運用時にかかる費用と発生しうるリスク

不動産投資では、初期費用だけではなく物件運用時にもいくつかの費用が掛かります。

✅管理費・修繕積立金(区分マンションの場合)
✅賃貸管理の委託費
✅税理士への委託費
✅物件売却時にかかる税金
✅運用中にかかる税金 など

また、不動産投資には物件購入後に以下のようなリスクが発生する可能性も。

・空室リスク
・建物の老朽化
・金利上昇リスク
・資産価値低下リスク

自分に見合った資金計画を立て、手元資金に余裕を持たせて運用後にかかる費用や発生しうるリスクにも備えておきましょう

不動産投資の初期費用を抑えるポイント

売主が不動産会社の物件を選ぶ

物件を購入するには、以下の方法があります。

●仲介業差を介して売り主から購入(仲介物件)
●不動産会社から直接購入(売主物件)

売主物件は不動産会社との直接取引になるので、仲介手数料が発生しません

例えば、5000万円の物件であれば、約150万円の費用が抑えられます。

ただ、仲介より物件価格が割高になる可能性もあるので、物件価格+仲介手数料で比較して検討しましょう。

ローンの頭金を抑えて現金を残す

ローンを組む場合に支払う頭金を減らせば、初期費用に余裕を持たせられます。

頭金を少なく設定すると、融資の条件が厳しくなり審査に通らないケースも

頭金を少なくした分、借入額は大きくなり、利息の負担も増えてしまうので、運用後の返済額も考慮しながら金額を決めましょう。

中古の区分マンションに投資する

1棟マンションやアパート投資よりも、マンションの1室だけを購入する区分マンション投資の方が価格が低いです。

さらに中古物件であれば、新築物件よりも割安なので初期費用が抑えられます。

ただ、価格が相場より低い物件は、築年数が経過し過ぎていたり、駅からのアクセスが悪い可能性も。

入居者がいないと収益も得られないので、物件の内装や周りの環境も含めてよく検討してから物件を選びましょう

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不動産投資の初期費用:まとめ

不動産投資の初期費用は、取引相手や物件価格、ローンの有無などによって異なりますが、物件の購入価格の8〜10%ほどが目安と言われています。

ローンを利用する場合は、物件価格の10〜20%ほどの頭金を準備しておくのが一般的なので、合計で物件価格の20〜30%の自己資金を準備しておくと安心でしょう。

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※1 引用:財務省/地震保険制度の概要
※2 参考:国土交通省/宅地建物取引業法