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子育て世代に収入保障保険は必要?保障内容とライフステージ別の備え方

子育て世代に収入保障保険は必要?
他の保険との違いは?
子ども世帯では万が一の事態が起きても、生活レベルを維持するための継続的な収入が欠かせません。
収入保障保険は、子育て中の家庭にとって、万が一への備えとして注目されている生命保険のひとつです。
この記事では、収入保障保険のメリット・デメリットや子育て世代の最適な収入保障保険の使い方、加入時のポイントなどを解説します。
この記事の監修者
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有岡 直希
ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、Webマーケターを経て外資系生命保険会社に転職。 個人のライフプラン・コンサルティングに携わり、顧客のニーズと社会保障制度を加味した論理的な提案に定評あり。 各生命保険商品を徹底的に分析し、価値ある商品の選別と保険の効果を高める活用法を提案します。- <保有資格>
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この記事の目次
収入保障保険とは?

収入保障保険とは、保険の対象者が死亡または高度障害状態になった場合に、毎月一定金額を年金形式で受け取れる死亡保険の一種です。
毎月一定額を受け取れるので、家計を担っている方に万が一のことがあっても、遺された家族の生活費や教育資金などに活用できます。

支払期間は加入時に設定されており、契約満了までの残存期間に応じて、総支払額は変動するのが特徴です。
ランキングは各保険商品の優劣や推奨を示すものではなく、2025年06月01日~06月30日の申込件数、資料請求件数、及びアクセス数に基づいて作成したものです。
定期保険や終身保険との違い
収入保障保険は、死亡時に月ごとの定額給付が続く仕組みが特徴です。
収入保障保険 | 定期保険 | 終身保険 | |
給付タイミング | 死亡または高度障害状態になった場合 | 死亡または高度障害状態になった場合 | 死亡時の費用/相続対策/貯蓄 |
目的 | 死亡・高度障害時に遺族の生活費を支える | 死亡・高度障害時に遺族の生活費を支える | 死亡時の費用/相続対策/貯蓄 |
貯蓄性 | 基本的に無し(掛け捨て) | 基本的に無し(掛け捨て) | 解約返戻金あり(商品による) |
受け取り方法 | 一括または 年金形式 |
一括受取 | 一時金 |
保険 期間 |
歳満了 (65歳満了など) |
・年満了 (10年更新など) ・歳満了 (65歳満了など) |
一生涯 |
定期保険は、契約期間内に万が一があれば一括で保険金を受け取る形式です。
終身保険は、契約者が亡くなるタイミングに関係なく保障が続くのが特徴で、受け取りにも期限がありません。
収入保障保険は、一括支給型よりも保険料を抑えやすいため、費用と保障のバランスを重視したい人にも向いています。
収入保障保険のメリット・デメリット

収入保障保険のメリット
✅ お手頃な保険料で保障が大きい
✅ 長期的な保障に向いている
収入保障保険は基本的に給与と同じように毎月保険金を分割で受け取るので、短期間で使ってしまうリスクが少ない点もメリットです。
残された家族が一括で大きなお金を管理する必要がなく、月々の生活費のように使えるため、家計の計画が立てやすくなります。
また、収入保障保険は、通常の死亡保険と比べて、保障金額が減っていく逓減(ていげん)型になっているため、保険料が割安に設定されています。
受取総額が少なくなる点について、損をするのでは?と考える人もいますが、収入保障保険は定年退職までやお子さまの独立までなど、経済的な責任がある期間に備えるのが目的です。
必要な保障期間だけを合理的にカバーでき、保険料も抑えられるため、無駄のない保険設計をしたい方に向いているでしょう。
収入保障保険のデメリット
✅ 保険金の使い方に柔軟性がない
✅ 死亡以外のリスクには対応できない
収入保障保険は、契約直後に万が一のことがあった場合には、給付期間が長くなるため、受取総額は多くなるのが特徴です。
一方で、保険期間の満了が近づいたタイミングで亡くなった場合は、給付される期間が短くなるため、受取総額も少なくなってしまいます。
収入保障保険は死亡または高度障害が給付条件となっているため、がんや心疾患などの重い病気で働けなくなっても保障対象外になる場合があります。
また、住宅ローンの一括返済、医療費の急な支出などの一括でまとまった資金が必要なタイミングには対応しづらいケースも。
収入保障保険は必要な保障期間だけに無駄のなく備えられる保険のため、長期的な保障を受けたい方は、定期保険や終身保険の併用も検討しましょう。
子育て世代に収入保障保険が必要な理由

✅ 子どもの教育費や将来の出費に備える
✅ 公的保障だけでは不十分なケースも
大黒柱に万が一があった時の生活費
家計を支える収入が突然絶たれると、生活の維持が一気に難しくなるケースは多いです。
特に子育て世代で働き手がひとりの家庭では、光熱費や食費など毎月の固定支出が重くのしかかります。
子どもの養育費や住宅費など、家族の人数に関係なく続く支出も無視できません。
遺された家族の生活が困窮しないよう、収入保障保険などで安定した現金収入を確保する対策が必要です。
子どもの教育費や将来の出費に備える
子育て世代の教育費は成長とともに増え、塾や習い事など学費以外の支出も重なっていきます。
収入保障型の保険を活用すれば、家計を担う方に万が一があっても、毎月保険金が受け取れるので教育計画の調整もスムーズに進められるでしょう。
また、私立進学や大学を視野に入れるなら、数百万円単位の準備が必要になるので、長期的な視点で備える姿勢が大切です。
公的保障だけでは不十分なケースも
遺族年金や児童扶養手当などの公的制度は存在していても、日々の支出をすべて賄うのは難しい状況が続きます。
実際に支給額が少なく、生活水準を大きく下げざるを得ない家庭も珍しくありません。
特に住宅ローンや持ち家の維持費がかかる世帯では、補助金だけでは不足しがちです。
家計の急変に備え、生活の安定と精神的な安心を得るために、収入保障保険を併用する考え方が必要です。
子育て世代の最適な収入保障保険の使い方

✅ 住宅ローンとの併用で家計を守る
✅ 学資保険と併用して備える
加入時期と見直しタイミングの目安
収入保障保険は、子どもが小さい=親の年齢が若いうちに加入すると保険料を抑えられます。
年齢が上がると保険料が高くなり、健康状態によっては加入が難しくなるケースもがあるため、早めの加入と定期的な見直しが大切です。
見直しのタイミングは、子どもの進学や住宅購入、転職など大きなライフイベントが目安。
家族構成や経済状況に変化が生じたときに、保障額や期間を再確認しておきましょう。
住宅ローンとの併用で家計を守る
住宅ローンを抱える家庭では、万が一のときに返済負担が家族の大きな悩みになるかもしれません。
団体信用生命保険だけでは生活費まで支えきれない場合もあるため、別の保障で補う工夫が求められます。
収入保障保険を加えておけば、住まいと生活の両方を安定させやすくなるでしょう。
学資保険と併用して備える
将来の教育費は、学資保険でコツコツと準備する家庭も多いです。
学資保険と収入保障保険を組み合わせておけば、予期せぬ事態があっても教育費の準備を止めずに済みます。
学資保険は「目的別の積立」、収入保障保険は「生活費の補填」として備えられます。
教育と生活の両方に備えられるため、2つの保険を併用するスタイルに安心感が生まれるでしょう。
収入保障保険へ加入する際のポイント

✅ 免責期間をチェックしておく
✅ 条件によっては保険料の割引がある
✅ 最低支払保証期間を確認する
✅ 保険料払込免除特約の付加を確認
保険期間は子どもの独立やローン完済時期
収入保障保険は、「子どもが独立するまで」や「住宅ローンが完済するまで」など、ライフプランに合わせて保障期間を決めましょう。
10〜20年程度で設計するのが一般的ですが、長すぎる期間だと保険料が高くなりやすいため、必要な年数に絞って設計するのが大切です。
・子どもが大学卒業まで:あと15年
・住宅ローン完済まで:あと20年
・配偶者が年金受給するまで:あと10年
「誰を、いつまで支えたいのか」を明確にすれば、必要な保障期間が見えてきます。
遺族年金や配偶者の収入、預貯金などの備えがある時は、差し引いて保険金を設計すると、保険料の無駄を抑えられるでしょう。
免責期間をチェックしておく
保険金の支払いには、実際に保険金が支払われるまでに一定の待機期間(免責期間)が設定されているケースがあります。
たとえば、加入から1年以内の自殺や特定の事由では給付対象外になるケースもあるため、細かな契約条件をしっかり確認しておきましょう。
条件によっては保険料の割引がある
一般的な定期保険と比較しても保険料が手軽な収入保障保険ですが、所定の条件をクリアすれば保険料が割引されるケースがあります。
主な保険料割引の条件の例
☑過去数年間喫煙していない
※喫煙には紙タバコや電子タバコ、葉巻、ニコチンガムやニコチンパッチが含まれます。
優良体の基準
☑血圧値が優良体の基準の範囲内である
☑BMIの値が優良体の基準の範囲内である
優良体の基準は一般的に「血圧値やBMI値が基準の範囲内」ですが、保険会社によって基準値は異なるため、事前に確認しておきましょう。
最低支払保証期間を確認する
収入保障保険の最低支払保証期間とは、保険期間終了までの残り期間が短くなったタイミングで亡くなっても、契約時に定めた最低保証期間分の保険金を受け取れる制度です。
✅50歳で亡くなったケース
⇒保険期間が終了するまでの15年間にわたって保険金が受け取れる。
✅保険期間終了まで半年で亡くなったケース
⇒通常なら半年間保険金が受け取れるが、最低支払保証期間が2年に設定されていると、半年ではなく2年間保険金を受け取れる。
最低支払保証期間は2年や5年が一般的ですが、1年や10年の期間を選べるタイプもあるので、事前にチェックしておきましょう。
保険料払込免除特約の付加を確認
収入保障保険には、保険料払込免除特約が付加できるケースも。
保険料払込免除特約とは?
所定の状態に該当した場合に、それ以後の保険料の支払いが免除される特約。
所定の状態とは、一般的に「3大疾病」や「高度障害」などが当てはまりますが、保険会社によって異なります。
同じ3大疾病でも「心疾患」なのか「急性心筋梗塞だけ」など、細かい適用範囲は加入前の確認が必要です。
子育て世代に収入保障保険は有効:まとめ

子育て家庭では、万が一の際に生活を維持できるかが大きな不安材料です。
収入保障保険を活用すれば、生活費や教育費の安定確保につながるため、年齢が若いうちに加入を検討しましょう。
将来の変化にも対応できるように他の保険と役割を分けて組み合わせると、過不足のない備えを実現できます。