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がん保険で三大疾病にも備えられる?三大疾病の備え方とがん保険でできる準備を解説

『三大疾病ってなに?』
今回はがん保険で三大疾病に備えられるのか、がん保険と三大疾病保険の基本や三大疾病のリスクとその影響、それぞれのメリット・デメリット、保険の選び方などを解説します。
おすすめのがん保険も紹介しますので、気になる方は必見です。

この記事の監修者
-
有岡 直希
ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、Webマーケターを経て外資系生命保険会社に転職。 個人のライフプラン・コンサルティングに携わり、顧客のニーズと社会保障制度を加味した論理的な提案に定評あり。 各生命保険商品を徹底的に分析し、価値ある商品の選別と保険の効果を高める活用法を提案します。- <保有資格>
- AFP、2級ファイナンシャルプランニング技能士
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この記事の目次
がん保険と三大疾病保険の基本を理解しよう

がん保険とは
契約してから90日間の待ち期間を経てから保障が開始されるのが一般的です。
待ち期間経過後(責任開始日以降)の保険期間中に『はじめてがんと診断確定された』際に給付対象となります。
がん保険は扱う疾病の特性上、『特定の人(がんの疑いがある人など)』への給付金支払いを避け、他契約者との公平性を保つために待ち期間を設けているようです。
✅がん保険の給付内容
主に『がん入院給付金』『がん手術給付金・がん放射線治療給付金』『がん診断給付金』『がん死亡給付(保険)金』『死亡給付(保険)金』などの保険金支給・給付がなされます。
❗高度障害状態になった時の扱いもチェックしておこう
がん保険加入者が高度障害状態になってしまった時の扱いは生命保険会社により違います。
主に下記、3パターンのうちいずれかとして扱われるようです。
①がん死亡給付金と同額のがん高度障害給付金を受け取り契約が消滅します。ただし、がん以外が原因で高度障害状態に該当したときは、死亡給付金と同額の高度障害給付金となります。
②保険料が払込免除となり契約が継続します。
③契約がそのまま継続します(保険料の払込みも継続します)。
引用:高度障害状態になった場合の取扱い
がん保険商品によってその際の細かな決まりが違うため、がんに備えて保険加入を検討するなら高度障害状態になった時に保険がどう扱われるのかまで含めてリサーチしておきましょう。
どう備えるか悩んだらファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。

三大疾病保険とは
① がん(悪性新生物)
細胞が何らかの原因で変異して増殖を続け、周囲の正常な組織を破壊するのが腫瘍で、がんや肉腫が該当します。
※悪性新生物は、日本人の死因の第1位で約30%を占める
② 急性心筋梗塞
③ 脳卒中(脳血管疾患)
これらの病気は発症すると、治療期間が長引きやすく、生活に大きな影響を与えます。
治療中の収入減少に備えた備えとして、働き盛りの世代にも選ばれています。
長期療養に向けた備えができる商品もあるため、家族の生活を守る大切な役割を担ってくれますよ。

それぞれの保障内容の違い
がん保険 | 三大疾病保険 |
診断された段階で給付される商品が多く、治療初期の費用に対応しやすい。 |
所定の状態が一定期間継続した場合にのみ給付対象となる場合もある。 |
選ぶ際は自身の健康状態や家族歴、将来のライフプランに合わせて優先順位を考えるべきです。

三大疾病のリスクとその影響

がんの発症率と治療費
がんは誰でもなる可能性がある病気です。
現在、日本人の2人に1人は一生のうちに何らかのがんになるといわれています。がんは、すべての人にとって身近な病気です。
引用:がんの基礎知識
これだけ高い割合で発症する病気なので、保険会社でも様々な病状に合わせたがん保険が取り扱われており、その中から自分に合った保険をひとりで探し出すのは至難の業でしょう。
また、年齢が上がると発症リスクも高まります。
◆現年齢から10年後のがん罹患率
現在の年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
10歳 | 0.1% | 0.1% |
20歳 | 0.3% | 0.5% |
30歳 | 0.6% | 1.6% |
40歳 | 1.6% | 4.2% |
50歳 | 5.2% | 6.7% |
60歳 | 15.7% | 10.4% |
70歳 | 31.3% | 15.9% |
生涯※ | 66.0% | 50.4% |
※がん情報サービス/グラフデータベース/年齢階級別罹患率より抜粋
※生涯での罹患率は40歳時点での確率を記載しています。
さらに、がんは種類によって『手術』『放射線』『抗がん剤』など多岐にわたる治療方法が用いられます。
そのため自由診療や先進医療を選択すると、医療費が高額になりやすい病気です。

がんになると収入減や通院費、交通費なども家計に大きな負担がかかるね…。
治療と生活を両立するためには、経済的な支えが欠かせません。

心疾患のリスクと生活への影響
発症後は長期間の入院やリハビリが必要になるケースが多く見られます。
退院後も定期的な通院や投薬治療が続き、日常生活への影響が避けられません。
✅患者数と死亡率
心疾患(高血圧性を除く)で治療を受けている総患者数は、令和5年(2023年)時点で約358万人。
心疾患による年間死亡者数は、令和4年(2022年)で約23万3,000人と報告されています。
これは、がん(悪性新生物)に次いで2番目に多い死因です。※引用参考元/心筋梗塞の調査・統計
✅再発リスク
再発のリスクも高いため、健康管理と経済的な準備が求められます。
予測できない状況に備える手段として、心疾患にも対応した保険が注目されている傾向です。
脳卒中の後遺症と治療期間
半身まひや言語障害などの後遺症が残りやすく、日常生活が大きく変化します。
治療に加え、長期間のリハビリや介護が必要になる場合も。
✅患者数と死亡率
脳血管疾患で治療を受けている総患者数は、令和5年(2023年)時点で約188万4,000人。
脳血管疾患による年間死亡者数は、令和4年(2022年)で約10万7,481人と報告されています。
これは、日本人の死因の第3位です。※引用参考元/生活習慣病の調査・統計
✅再発リスク
日本人を対象とした研究によると脳卒中全体の再発率は以下の通り。
- 1年以内:12.8%
- 5年以内:35.5%
- 10年以内:51.3%
つまり、脳卒中を一度発症した患者の約半数が10年以内に再発している状態です。
家族の支援に加え、介護サービスの利用などによる出費も増える傾向があります。
早期治療と同時に、後遺症に備えた準備が安心の鍵を握るでしょう。

三大疾病はどれもリスクが高いんだね。がんに備えるだけじゃだめなのかな。
実は三大疾病保険はがん保険で備えるなら必要ないとする意見もあるんです…。

三大疾病保険が不要だと言われる理由
三大疾病に備えるための保険として三大疾病保険が挙げられますが、医療保険やがん保険で保障されているため不要だと言われています。
三大疾病保険は三大疾病のみを保障しているため、初めて保険に加入する人は幅広い病気やケガを保障する保険に加入するのがおすすめ。
どうしても三大疾病の保障を手厚くしたい人は、通常の医療保険に特約を付加するのも検討してみましょう。
ここまではがん保険や三大疾病保険の基本的な仕組み、三大疾病のリスクなどを解説しました。
では、それぞれの保険にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

がん保険と三大疾病保険の長所・短所

がん保険のメリットと注意点
- ◆がん保険のメリット
- がんに特化しているから給付条件が明確
- 診断一時金がすぐに受け取れる商品が多い
- 特約で保障を広げられる
がん保険はがん罹患時の初期費用への対応力が高まります。
通院や先進医療に備えた特約を付けると更に幅広い治療に対応できるでしょう。
- ◆がん保険のデメリット
- がん以外の病気には対応していない
がん保険は範囲の狭さが弱点。
他の重病にも備えたい方は、保険の組み合わせを工夫する必要があります。
三大疾病保険のメリットと注意点
- ◆三大疾病保険のメリット
- がん・心疾患・脳卒中の3つに対応
三大疾病保険はリスク分散に優れており、働き盛りの世代にとって重要な保障をまとめてカバーできる点が評価されています。
- ◆三大疾病保険のデメリット
- 一度給付を受けると保障が終了する商品もある
三大疾病保険では給付条件がやや複雑で、所定の状態が継続している必要がある場合もあります。
契約前に細かい条件や免責期間をしっかり確認しておきましょう。
どちらを選ぶべきかの判断基準
健康状態や家族歴、将来のライフスタイルを踏まえて、優先順位を整理しましょう。
がん保険 | 三大疾病保険 |
がん家系である方やがんの早期発見に備えたい方におすすめ。 | 働きながら三大疾患に備えたい方におすすめ。 |
それぞれの保障内容や給付条件を比較し、無理のない保険料で選ぶのが賢明です。
迷う方は『複数の保険を組み合わせる』か『専門家に相談』して選択肢を広げましょう。

保険選びのポイントと注意点

保険料と保障内容のバランス
毎月の支払いが安価でも、必要なときに給付されなければ意味がありません。
逆に保障が充実しすぎると、保険料が高くなり家計の圧迫につながります。
今後の収入や支出の見通しに合わせて、無理のない範囲で設計する姿勢が大切です。
給付金の支払い条件と回数
診断だけで給付されるタイプもあれば、一定期間の入院が必要な場合もあります。
給付が一度限りか、複数回受け取れるかも保険選びの重要なポイントです。
再発や複数疾患に備えるには回数無制限型の保険が適していますよ。

パンフレットだけでなく、詳細な約款まで目を通して内容を把握してください。
特約やオプションの活用方法
たとえば先進医療特約や通院保障を加えると治療の選択肢が広がります。
ライフステージや家族構成に応じて必要な特約を見直す習慣をつけると無駄を省けます。
シンプルな設計をベースに自分に必要な保障だけを加えるのが理想的です。
おすすめのがん保険
三大疾病への備えはがん保険でもできる

今回はがん保険で三大疾病に備えられるのか、がん保険と三大疾病保険の基本や三大疾病のリスクとその影響、それぞれのメリット・デメリット、保険の選び方などを解説しました。
がん保険と三大疾病保険は以下のような違いがあります。
がん保険 | 三大疾病保険 |
診断された段階で給付される商品が多く、治療初期の費用に対応しやすい。 |
所定の状態が一定期間継続した場合にのみ給付対象となる場合もある。 |
がんにだけピンポイントに備えたいのか、三大疾病を広くカバーしたいのかでどちらを選ぶほうが適しているか違ってきます。
- ただ…
- がん保険は特約を追加すれば三大疾病に備えられる商品もある
そのため、現在の家計状況や希望に合わせて専門家に相談しつつ選ぶと最適な保険が見つけやすいでしょう。
将来に向けた準備を今から始め、変化に応じて柔軟に見直していくと無駄を省いた備えができますよ。
