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卵巣がんで使われる抗がん剤って?卵巣がんの抗がん剤治療について流れや薬の種類を解説

『卵巣がんで使う抗がん剤は?』
今回は卵巣がんの抗がん剤治療について抗がん剤治療の基礎知識と卵巣がんの治療で使われる抗がん剤の種類、卵巣がんの抗がん剤治療の流れなどを解説。
おすすめのがん保険も紹介しますので、卵巣がんの抗がん剤治療について知りたい方は必見です!

この記事の監修者
-
有岡 直希
ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、Webマーケターを経て外資系生命保険会社に転職。 個人のライフプラン・コンサルティングに携わり、顧客のニーズと社会保障制度を加味した論理的な提案に定評あり。 各生命保険商品を徹底的に分析し、価値ある商品の選別と保険の効果を高める活用法を提案します。- <保有資格>
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この記事の目次
抗がん剤治療の基本を知ろう

抗がん剤の目的と作用の仕組み
細胞の増殖を防ぐ抗がん剤を用いた治療法。
・がんがふえるのを抑えたり
・成長を遅らせたり
・転移や再発を防いだり
・小さながんで転移しているかもしれないところ
を治療するためなどに用いられます。
引用:がん情報サービス/薬物療法(抗がん剤治療)のことを知る
がん細胞は正常な細胞と比べて、非常に早いスピードで分裂します。
抗がん剤はこの特徴を狙って、細胞分裂のスピードが速い細胞に強く働きかける仕組みです。
そのため、『分裂が活発な正常細胞』も含めて攻撃を受けてしまうため、吐き気や脱毛などの副作用が生じます。
抗がん剤の主な目的と役割
- 抗がん剤の目的は、
- がんの根絶を目指す根治
- 病気の進行を遅らせる延命
- 再発の抑制
手術や放射線療法が局所的ながんに対して使われるのに対し、抗がん剤は全身に効果が及ぶ治療法です。
そのため、転移や微小ながん細胞にも働きかけられるのが特長。
総合的な治療戦略の中で重要な役割を担っており、がんの種類や進行度に応じて最適な組み合わせが選ばれる仕組みです。
抗がん剤の種類と使い分け
基本的な抗がん剤はこちらの3種類。
- 細胞障害性抗がん剤
- 分子標的薬
- 免疫チェックポイント阻害薬
- 細胞障害性薬は
- 細胞の分裂を妨げてがん細胞を壊します。
- 分子標的薬は
- がん細胞に特有のタンパク質や遺伝子異常に狙いを定めて働きかける薬剤です。
- 免疫チェックポイント阻害薬は
- 免疫細胞ががん細胞を攻撃しやすい状態へと導き、体内の防御機能を高めます。
患者のがんの種類や進行の程度、体調や遺伝情報などを踏まえて、これらの薬剤は慎重に使い分けられるようです。

卵巣がんで使われる主な抗がん剤の種類

プラチナ製剤
白金(プラチナ)を含む構造を持つ抗がん剤の総称で、がん治療における細胞障害性抗がん剤の中心的存在。
項目 | 内容 |
---|---|
一般名 | プラチナ製剤 |
分類 | 白金(プラチナ)製剤・アルキル化剤に分類される抗がん剤 |
代表的な 薬剤 |
・シスプラチン(CDDP) ・カルボプラチン(CBDCA) ・オキサリプラチン(L-OHP) |
作用機序 | DNA塩基(特にグアニン)と共有結合を形成し、DNAの架橋(クロスリンク)を引き起こして、DNA複製・転写を阻害し、アポトーシスを誘導。 |
主な適応がん種 | ・肺がん(小細胞・非小細胞) ・胃がん ・大腸がん(オキサリプラチン) ・食道がん ・卵巣がん ・子宮頸がん ・膀胱がん ・精巣腫瘍 など幅広く使用 |
投与経路 | 主に静脈投与(IV) (オキサリプラチンなどでは中心静脈カテーテル使用も) |
主な副作用 | ◉共通: ・骨髄抑制 ・悪心・嘔吐(特にシスプラチンで高度) ◉ シスプラチン特有: ・腎障害(腎毒性) ・聴覚障害(耳鳴り、難聴) ・強い吐き気 ◉ カルボプラチン: ・骨髄抑制(好中球・血小板減少)が中心 ・腎毒性や嘔吐は比較的軽度 ◉ オキサリプラチン: ・末梢神経障害(冷感過敏・手足のしびれ) |
現在の位置づけ | がん化学療法の中核を担う細胞障害性抗がん剤群の1つ。 ほとんどの固形がんで第一選択または併用治療の要となっている。 |
シスプラチンやオキサリプラチンが代表例としてよく使われます。
- シスプラチンは
- 強力ですが副作用も強く、腎障害や吐き気管理(制吐剤併用)が必須。
- カルボプラチンは
- マイルドな代替薬で、高齢者や腎機能が低下している患者に選ばれる傾向。
- オキサリプラチンは
- 神経障害に注意が必要ですが、大腸がんにおいて非常に重要な薬剤。
胃がんの標準治療においては、フルオロウラシル系との併用が基本とされています。
強い吐き気や腎機能の低下が出やすいため、吐き気止めや点滴で水分管理を行いながら治療を進めるのが基本。
使用中は血液検査などで慎重に経過を確認します。
タキサン系抗がん剤の役割
タキサン系抗がん剤
イチイ科の植物(例:アメリカイチイ)から発見された天然由来の成分をもとに作られた抗がん剤を指します。
項目 | 内容 |
---|---|
一般名 | パクリタキセル、ドセタキセル、ナブパクリタキセル |
分類 | タキサン系抗腫瘍薬(微小管安定化剤) |
代表的な 薬剤 |
・パクリタキセル ・ドセタキセル ・ナブパクリタキセル |
作用機序 | 微小管を安定化させて分裂を停止させ、アポトーシス(細胞死)を誘導。特に有糸分裂(M期)を阻害。 |
主な適応がん種 | ・乳がん ・卵巣がん ・非小細胞肺がん ・胃がん ・前立腺がん ・食道がん ・頭頸部がん など |
投与経路 | 静脈内点滴(IV)。 ナブパクリタキセルはアルブミン結合製剤で溶剤不要なため過敏症リスクが低い。 |
主な副作用 | ・末梢神経障害(しびれ・感覚異常) ・骨髄抑制(白血球・好中球減少) ・脱毛 ・関節 ・筋肉痛 ・アレルギー反応(特にパクリタキセル) |
現在の位置づけ | 多くの固形がんにおける一次または二次治療の標準レジメンの一部。免疫療法や分子標的薬との併用も増加。ナブ製剤で使いやすさも向上。 |
- パクリタキセルは
- プラチナ製剤と併用されるケースが多く、相乗効果を発揮します。
- ドセタキセルは
- 似た仕組みを持ちながら、異なる副作用を持つのが特徴。
これらの薬は微小管に作用し、がん細胞を死滅へ導きます。
強い抗腫瘍効果を示し、治療の選択肢を広げる役割を果たしているようです。
ベバシズマブ
項目 | 内容 |
---|---|
一般名 | ベバシズマブ |
分類 | 分子標的治療薬(抗VEGF抗体) |
作用機序 | 血管内皮増殖因子(VEGF)に対するヒト化モノクローナル抗体。VEGFの働きを阻害して、腫瘍新生血管の形成を抑制し、腫瘍の成長や転移を防ぐ。 |
主な適応がん種 | ・大腸がん ・非小細胞肺がん ・乳がん(限られた条件下) ・卵巣がん ・子宮頸がん ・膠芽腫(GBM) ・肝細胞がん ・腎細胞がん など |
投与経路 | 静脈内点滴(IV) |
主な副作用 | ・高血圧 ・出血(鼻出血、消化管出血) ・血栓塞栓症 ・タンパク尿 ・創傷治癒遅延 ・消化管穿孔(稀だが重篤) |
現在の位置づけ | 多くのがん種で化学療法との併用による標準治療薬。特に転移性がんや再発例での使用が多く、免疫チェックポイント阻害薬との併用療法でも重要な位置を占める。 |
- ベバシズマブは
- 血管新生を抑え、がんへの栄養供給を遮断します。
この薬は単独で使うのではなく、ほかの抗がん剤と併用して活用されるのが基本です。
進行した状態の患者に追加使用して治療の持続効果を高めます。
補助的な薬剤が導入されると、より長い期間の安定した治療が期待できるでしょう。

卵巣がん治療の進め方と流れ

卵巣がんの抗がん剤治療は以下のような流れで進めていくのが一般的。

各セクションについて更に詳しく解説していきますね。

初回治療のスケジュールと進行の目安
卵巣がんに限らずがん治療ではまず最初に『手術可能か』を確かめます。
- 手術可能なら……
- おおよそ三週間おきに一度の投与を6~8サイクル。
- 手術が難しければ……
- まずはおおよそ三週間おきに一度の投与を3サイクル行ってから様子を見ます。
体調や血液検査の結果に合わせて投与の間隔が調整され、治療開始から数か月の間にがんの縮小が見込めるかを判断。
手術の有無によってその後の流れが多少前後するので覚えておきましょう。
スケジュールを把握すると治療に向けた準備が整いやすいですよ!

入院・外来での治療選択と負担の違い
- 入院治療は
- 移動の負担が少なく、医療スタッフの手厚いサポートがすぐ受けられて安心感があります。
- 外来治療は
- 自宅で過ごす時間を増やせるため生活を維持しやすいです。
ただし、それぞれデメリットも。
- 入院治療は
- 入院費がかかるため資金や治療のタイミングについて計画が必要です。
- 外来治療は
- 治療のたびに通院が必要になる手間があります。
自身の体調や生活環境に合わせて選ぶと心身への負担が軽くなります。
副作用モニタリングや検査のタイミング
血液検査でチェックするのは以下のような項目です。
- 副作用の早期発見
- 白血球や血小板の数値を細かくチェックし治療の安全性を確保
- 画像検査を組み合わせ腫瘍の訪台を見極める
検査や診察のタイミングを把握しておくと治療を前向きに続けやすくなります。

抗がん剤の副作用でよくある症状

吐き気・嘔吐・食欲不振
治療開始直後から数日以内に強く現れ、食事が摂れなくなるほどの症状になる時もあります。
この不快感は、消化器官の粘膜が刺激を受けて出る症状。
無理に食べようとせず、体が受け入れやすい食事を選んで栄養を補ってください。
脱毛・爪や肌への影響
その結果、治療から1〜3週間ほどで脱毛が始まる場合が多く、見た目の変化に戸惑う人もいます。
また、爪が割れやすくなったり、皮膚が乾燥してかゆみを伴うケースも。
外見の変化に不安を感じたら、医療用ウィッグやネイルケアの活用も検討してください。
免疫低下による感染リスク
この影響で、風邪や肺炎などの感染症にかかりやすくなる点に注意が必要です。
体温が急に上がったり、のどの痛みが強くなった場合は、早急に医療機関へ連絡してください。
感染症を防ぐためには、日頃から衛生環境を整えておく習慣が欠かせません。

副作用の対処法

薬でコントロールする方法
抗がん剤による副作用の多くは、薬を併用すると緩和が期待できます。
症状が強いときは、早めに主治医に相談すると別の薬を追加してもらえる可能性も。
薬の種類やタイミングを調整すれば、治療を中断せずに続けやすくなります。
医師や薬剤師と連携して、自分に合った対処法を見つけていきましょう。
生活習慣でも軽減できる
毎日の習慣を見直すだけでも、副作用をやわらげる効果が見込めます。
- 心掛けたいのは
- 十分な睡眠とバランスの取れた食事を摂る
- 消化に優しいメニューを選ぶ
- 無理のない範囲での散歩やストレッチ
胃腸の負担を減らしたり、倦怠感や気分の落ち込みを軽くします。
過ごしやすい生活環境を整えると、体調の安定につながり副作用の軽減も期待できるでしょう。
患者が実践している工夫
実際に治療を受けている人たちは、さまざまな工夫で副作用と向き合っています。
肌荒れが気になるときは、刺激の少ない化粧品や保湿剤を使うのも効果的です。
また、日記をつけて体調や気分の変化を記録すると、早めに変調に気づけます。
自分なりに続けやすい工夫を取り入れられれば、不安を減らしながら治療に臨めるでしょう。

副作用とうまく付き合うために

不安を軽くする考え方
抗がん剤の副作用に対する不安は、多くの人が抱える共通の悩みです。
「全てがつらくなる」と思い込まず、「対応できる部分がある」と視点を変えてみましょう。
副作用は予測できる症状が多く、事前に知っておけば落ち着いて対応しやすいですよ!

また、体調の変化は一時的な症状であり、ずっと続くわけではありません。
一つずつ乗り越える意識を持つだけでも、気持ちはずいぶん軽くなるでしょう。
医療スタッフとの連携の重要性
副作用がつらいと感じたときは、すぐに医師や看護師へ相談するのが大切です。
「こんな弱音を言っても大丈夫かな」と遠慮せずに、正直な気持ちを伝えてください。

スタッフは豊富な経験を持っており、適切な対処法を一緒に考えてくれます。
自分の体調や感覚を細かく共有すれば、より適した対応が受けやすくなるでしょう。
治療を成功に導くためには、信頼できる医療チームとの連携が欠かせません。
サポート体制を活用しよう
家族や友人に助けを求めるのは、弱さではなく前向きな選択です。
病院には『がん相談支援センター』や『ソーシャルワーカー』などの専門職が配置されています。
また、同じ治療を経験した人の話を聞ける『ピアサポート』も心の支えになるでしょう。

おすすめのがん保険
卵巣がん抗がん剤治療を乗り越えるために

今回は卵巣がんの抗がん剤治療について抗がん剤治療の基礎知識と卵巣がんの治療で使われる抗がん剤の種類、卵巣がんの抗がん剤治療の流れなどを解説しました。
- 抗がん剤の目的は、
- がんの根絶を目指す根治
- 病気の進行を遅らせる延命
- 再発の抑制
不安を抱えたときは医療スタッフに相談すると安心が得られます。
- 入院治療は
- 移動の負担が少なく、医療スタッフの手厚いサポートがすぐ受けられて安心感があります。
- 外来治療は
- 自宅で過ごす時間を増やせるため生活を維持しやすいです。
ただし、それぞれデメリットも。
- 入院治療は
- 入院費がかかるため資金や治療のタイミングについて計画が必要です。
- 外来治療は
- 治療のたびに通院が必要になる手間があります。
家族や信頼できる人と気持ちを共有し、落ち着ける環境を作りながら卵巣がん治療を進めていきましょう。
