がん保険に入っていないとどうなる?
自由診療におけるがん治療は1か月あたり100万円を超える費用が必要になる症例が多く、困窮のために望んだ治療を断念する方も少なくありません。
今回のケースでは、がん保険に加入していれば高額な治療費をはじめとして入院時・通院時に必要な諸費用の大部分を補えました。
がん保険による手厚い保障があれば最も効果の高い治療を費用の心配なく選択できるようになります。
治療に必要だった費用 ※あくまで一例です
✅治療費・手術費・入院時の差額費・食事代・検査費用などを含めた合計額
約669万円
✅がん保険に入っていれば受け取れた給付金※
690万円
※診断給付金(2回)200万円+治療給付金(48カ月分)480万円+入院給付金(20日分)10万円の場合、合計で690万円
がん保険の保障 ※あくまで一例です
- 診断給付金/100万円
- がんと診断された場合(初めてがんと診断された時から期間が一定以上空いていれば再発も含む)に、一時金として支給されます。治療費・生活費などの負担を軽減できるでしょう。
- 治療給付金/1か月あたり10万円
- 所定のがん治療を受けた場合に支給されます。毎月の通院費・治療費に充てるのが目的です。
- 入院給付金/1日あたり5,000円
- がん治療のために入院した際に、入院日数に応じて支給されます。
ファイナンシャルプランナー 有岡 直希のコメント
「自分はがんにならないから大丈夫」と過信せず、リスクに備えておきましょう。

がん保険に加入すると、1か月あたり数千円の保険料でがん治療における様々な出費に対応できます。
リスクに対して、あなたは「貯金」と「保険」どちらで準備しますか?
自由診療の費用目安
※治療費用は症例や治療方法によって大きく異なる
項目 | 費用目安 |
---|---|
抗がん剤治療 (未承認薬) | 1ヶ月あたり200万円~1000万円以上 |
抗がん剤治療 (適応外薬) | 1ヶ月あたり10万円~100万円 |
保険適用外の検査 | 1回あたり1万円~10万円 |
参考:国内で薬機法上未承認・適応外である医薬品・適応のリスト|国立がん研究センター
国内で未承認または適応外の薬剤を使用する際は公的保険が適用されず、「自由診療」として治療費の全額が自己負担となります。
保険診療と自由診療を併用(いわゆる「混合診療」)すると、本来なら保険診療だった部分も含めて自由診療扱い=全額負担になってしまうため、出費が増えてしまいます。
がん保険で保障を受けながら最も効果の高い治療を選択できれば治療にかかる期間が短縮され、結果的に出費も抑えやすくなるでしょう。
日本の公的医療保険では承認されていない薬剤
🔵適応外薬とは?
投与対象の疾病公的医療保険の適用外になっている薬剤
治療以外の費用や損失にも注目
再発や複数回の手術が重なると、数百万円の治療費や入院費だけでなく、働けない期間分の逸失利益(得られなかった将来の利益)を含む家計の赤字が雪だるま式に増えます。
初回の入院だけでなく、退院後の通院治療や復帰までの生活費も考慮しておきましょう。
1週間入院+1か月療養した場合に発生しうる費用・損失の一例
費用項目 | 概算金額 | 備考 |
---|---|---|
お見舞い品の購入 | 約10,000円 | 差し入れ、衣類の購入など |
交通費 | 約20,000円 | 通院や家族の面会のための交通費、タクシー代 |
外食費 | 約30,000円 | 家族の食事や退院後の外食 |
家事代行サービス | 約36,000円 | 月4回利用(週1回)の場合 |
延長保育、学童保育等の利用費 | 約15,000円 | 子どもの保育サービス |
逸失利益 | 約123,000円 | 月収10万円のパート収入と仮定 |
合計 | 約234,000円 |