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親の借金は債務整理できる?子どもの返済義務と無理のない完済方法

親の借金は債務整理できる?子どもの返済義務と無理のない完済方法

「親の借金を債務整理させたい…」
「親の借金は子供に返済義務がある?」
「親の借金を確実に完済する方法は?」

親の借金が発覚して解決を検討していても、子どもが債務整理できるのか、子どもに返済義務があるのか分からず対応に迷っている人は少なくありません。

基本的に子どもに親の借金の返済義務はなく代わりに債務整理もできませんが、親との相談や成年後見制度を利用すれば債務整理で借金の負担軽減が可能です。

今回は、親の借金の債務整理の可否、債務整理の詳細と子供の返済義務、親の借金を相続しない方法を詳しく解説します。

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グッドカミング編集部
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グッドカミングは、保険/資産運用/将来設計/投資など「お金」の悩みを解決するWebメディアです。ファイナンシャルプランナーが記事を監修し、情報の信頼性を担保。様々な経歴のライターが、自身の経験やお金に悩む人の体験談を基に記事を執筆しています。

親の借金の債務整理の可否

親の借金は債務整理できる?

債務整理は原則として借金の名義人の手続きが必須のため、親の借金は子どもが代わりに債務整理できません

弁護士・司法書士への依頼も、債務者本人である親しか対応不可になります。

親の借金に子どもができる対応

親の借金のために子どもができる対応は、主に下記の3つです。

  1. 借金の現状を正確に把握する
  2. 最適な解決方法を一緒に考える
  3. 債務整理や手続き方法を教える

どこにいくら借りているかがわからないと適切な対応ができないので、まずは請求書・通帳・カード明細などを確認し、借入先や金額、支払い状況を整理しましょう。

親が高齢であれば、ネットに詳しくない・世間の情報に疎いなど、借金の負担を軽減できる事実も債務整理の存在も知らなくて当然です。

状況を把握したら、親よりも若く情報をキャッチアップできる子どもの利点を活かして、親の借金を完済する手段を一緒に考えます。

債務整理するのであれば、特徴やメリット・デメリットを伝えて、手続き方法の教示や書類作成をサポートしてください。

親の借金の債務整理を代理対応

親の借金を子どもが代わりに債務整理できないとはいえ、高齢で認知症などを発症していれば親自身で判断するのは容易ではありません

判断能力が低下した人の生活を支援する「成年後見制度」を活用すれば、親の代理として成年後見人による債務整理の代理対応が可能です。

成年後見人は裁判所の判断で選任され、裁判官によっては家族はもちろん、弁護士や司法書士などの専門家も選任されます。

親の認知症の症状が改善されるか亡くなるまで、債務整理だけでなく財産管理や入院契約などが成年後見人に任せられるため、慎重に検討しましょう。

親の借金を債務整理

親の借金は債務整理できる?

親の借金に利用できる債務整理の種類

子どもから親への手ほどきや成年後見人の代理対応で親の借金を債務整理する方針が定まったら、親の状況に最適な債務整理を選びます。

債務整理は大きく分けて3種類で、裁判所を通す手続きと通さない手続きがありますが、どれを選んでも借金を減額または免除可能です。

種類 特徴
任意整理 債権者と交渉し、将来の利息カットや返済計画を見直す手続き。原則3~5年かけて完済する。
個人再生 借金を大幅に減額し、原則3~5年で完済を目指す手続き。借金総額が多く、減額しないと返せる見込みがない人向け。
自己破産 原則すべての借金が免除される手続き。反省や更生の意思があると判断されれば、浪費やギャンブルなどなどが原因でも裁判所の裁量によっては認められる。

親の借金の債務整理①任意整理

任意整理は借金の元本が少なく十分な返済能力がある親向けで、裁判所を通さずに手続きできます。

毎月の返済額を抑えられて、住宅や自動車など財産も手放さずに済み、職場や家族にバレるリスクが低いです。

ただし、個人再生・自己破産と比較すると借金の減額割合が少ないのは否めません。

親の借金の債務整理②個人再生

個人再生は借金が100万円を超える親向けで、裁判所を通して手続きする必要があります。

借金の元本を5分の1から10分の1ほどに減額できて借金を大幅に減らせるため、短期間での完済を目指しやすいです。

周囲にバレるリスクや、住宅ローンを除くすべての借金が整理対象、保証人のいる借金は保証人に返済義務が生じるなどデメリットも少なくありません

親の借金の債務整理③自己破産

自己破産は借金の総額が多く元本の返済すら厳しい親向けで、裁判所を通して手続きします。

借金の督促や請求が完全に止まり、借金そのものが免除され返済義務がなくなるのが特徴。

個人再生と同様のデメリットに加えて、不動産や貯金、20万円以上の品物が回収されるなど、リスクは大きいです。

親の借金の債務整理を専門家に依頼

親の借金は債務整理できる?

司法書士事務所で親の借金を債務整理

1社あたりの借入額が140万円以下なら司法書士に依頼するのが◎。

初回相談無料の事務所も多いです。

アヴァンス法務事務所 はたの法務事務所
司法書士
事務所
アヴァンス法務事務所 司法書士法人はたの法務事務所
初回
相談料
無料 無料
対応
エリア
全国
(出張相談可)
全国
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任意整理
着手金
1社あたり
11,000円~※1 22,000円~※2
分割払い 着手金は分割払い可 ※公式サイトに記載なし
要相談
問い合わせ

※以下すべて税込表記
【アヴァンス法務事務所】…解決報酬金11,000円/1社、減額報酬11%、過払い金を取り戻した場合は過払い金に対して22%の成功報酬、別途事務手数料あり
【はたの法務事務所】…減額報酬:減額できた債務の金額の11%/その他、印紙、切手、訴訟費用(原則実費のみ)、管理費等が発生/司法書士法に則り、契約時には契約書の報酬内訳書にて説明

弁護士事務所で親の借金を債務整理

1社あたりの借入額が140万円を超えているなら弁護士に依頼しましょう。

事務所によっては分割払いもできます。

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慰謝料請求・債務整理・B型肝炎給付金請求・交通事故・立ち退き問題・敷金回収に関する相談は無料 無料
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全国
(出張相談可)
全国
(出張相談可)
任意整理
着手金
1社あたり
55,000円~ 22,000円
分割払い 対応可 ※公式サイトに記載なし
要相談
問い合わせ

※以下すべて税込表記
【ライズ綜合法律事務所】…着手金は内容により費用が異なります/減額報酬は減額の11%/和解成立時、解決報酬として1社につき22,000円/過払い返還報酬 22%(任意の場合/訴訟の場合は27.5%)/送金管理費として1社につき月1,000円/回/通信費として1社につき2,200円
【ひばり法律事務所】…報酬金22,000円(1社あたり)/減額報酬11%/実費5,500円(1社あたり)

親の借金の債務整理前に返済義務を確認

親の借金は債務整理できる?

親の借金は子どもに返済義務なし

親の借金を子どもが自動的に引き継ぐような法律はなく、親の借金を子どもが返済する義務はありません

同一世帯でも別世帯で暮らしていても同様で、支払い義務のない第三者に対する請求は違法となります。

親の借金の返済請求が子どもに届いたら対応しないようにしましょう。

親の借金の返済義務には例外も

基本的に親の借金の返済義務は子どもにないものの、法的責任が生じる例外もあります。

返済義務が生じる例外
・子どもの名義で親が借金
・親の連帯保証人が子ども
・遺産相続時の対応に不備

債務整理で親が個人再生か自己破産をすると、連帯保証人に返済義務が移行。

親が亡くなった後に借金が発覚すると、財産だけではなく借金も相続されるため返済義務を回避できません

親の借金を相続しない方法

親の借金は債務整理できる?

親の借金を債務整理→相続放棄

親の借金が財産よりも多いなら、親の財産(現金・不動産など)も借金も一切相続しない「相続放棄」の手続きをするのが賢明です。

相続放棄は、親が亡くなった日から3ヶ月以内の手続きが必要ですがプラス3ヶ月の延長申請も可能で、期間を過ぎると財産・借金のどちらも相続されてしまいます。

相続放棄が成立すれば相続人から外れ、親の借金の返済義務がなくなりますが、次の相続順位人に相続の権利が移動。

本来相続人ではなかった祖父母やおじおばなどが相続人になるので、トラブルが起きないように事前に周知しましょう。

親の借金を債務整理→限定承認

親の借金より財産が多い・引き継ぎたい財産があるなら、財産の範囲内で借金を引き継ぐ「限定承認」の手続きをするのが得策です。

限定承認も相続放棄と同様に、親が亡くなった日から3ヶ月以内の手続きが必要かつ延長申請も◎。

財産が余れば相続できて、財産より借金が多くてもマイナス分は引き継がなくていいので、財産や借金の額が不明でも検討できます。

ただし、限定承認は相続人全員の手続きが必須で、細かく複雑なルールがあり時間を要するため、不安な人は弁護士や司法書士にサポートしてもらいましょう。

参考:相続の限定承認とは?相続放棄との違いや3つの注意点をわかりやすく解説/相続税申告相談プラザ

親の借金を債務整理して完済

親の借金は債務整理できる?

親の借金は子どもが代わりに債務整理できませんが、子どもがサポートして手続きを進める・親が認知症などで判断能力がなければ成年後見人として代理対応する方法があります。

借金が親の名義で連帯保証人でなければ、子どもに親の借金の返済義務はありません

財産を相続すると借金も相続されるので、相続放棄や限定承認も検討するのがおすすめです。

弁護士や司法書士への無料相談も上手に活用して、親の借金の問題を早期解決しましょう。

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